豊富な図版とプロ目線のコメントでわかる基礎知識から将来の実践まで見すえた入門教科書。
初老の“私”は、嵐の夜に出会った女から降霊会に招かれる。そこで再会した今は亡き人々。その中にはある理由から記憶の片隅に押しやっていた幼い友達がいたー。更に私は翌日も再訪するよう誘われる。会わねばならぬ人々のために。戦後という時代に取り残された者たちへの鎮魂歌として著者が贈る極上の怪異譚。
人とモノの大きさの関係がひと目でわかる画期的作画資料集のニューバージョン!!絵を描く人にとって、「こんなシーンを絵にしてくれ」「こんなシーンの絵を描いてみたい」となったとき、ハタと困ったことはありませんか?絵を自由自在に描くためには、人とモノの大きさを把握し、さらにそれらが、視点から遠ざかるほど小さくなっていくパースのつく空間に置かれていることを理解しなければなりません。作例では人物とモノ、空間との対比を数値化し、絵を構成していく上での目安を提示しています。
フランス革命後の社会は、旧体制(アンシャン・レジーム)の社会から截然と区別されるー通説と化してしまったこの命題を否定するところから、トクヴィルは出発する。中央集権のもとでの行政の専制化、画一的支配の浸透、パリ一極集中、こうした要素は革命がもたらしたものではなく、すでに旧体制のなかに用意されていたものだった。近代デモクラシーは必然的に平等化への道を進んだが、公的なものとの関わりを保障する「政治的自由」は、旧体制時代にもはや息の根を止められてしまっていた。近代は「画一化」と「自由の窒息」を引き受けなければならないのか?現代社会に対する透徹した予見と病理学的診断を含んだ政治思想史の金字塔。
大正14年、第一書房から刊行されたこの秀逸な訳詩集は、日本の現代詩に多大な影響を与えた。のみならず、多くの読者に愛読され続けた。訳者自身による度々の改訳のあと、著者満60歳、全面にわたり改訳された昭和27年白水社版、上田敏『海潮音』と並ぶ、雅趣豊かな名翻訳詩『月下の一群』。
轟く雷鳴の中、材木問屋の女主人が惨殺された。この殺人と宿屋を狙った連続盗難事件の陰に、いま江戸で評判の祈祷師、清姫稲荷のおりょうの姿がちらつく。果たして、その正体は?表題作ほか、「横浜から出て来た男」「穴八幡の虫封じ」「阿蘭陀正月」など全八篇を収録。旅籠「かわせみ」を取り巻く人人の江戸情緒豊かな人情捕物帳。
有効な温暖化対策「カーボン・ファーミング」としていま脚光を浴びる環境再生型農業。その第一人者が、4年連続の凶作を乗り越えた末に自然から学んだ「土の健康の5原則」には生態系の回復やカーボン・ファーミングのエッセンスが凝縮されている。地中の生態系のはたらきを阻害さえしなければ、農園から家庭菜園、ガーデニングまで、あらゆる土が真に生きた土に変わる。さらに、やせた土地の回復は、農業の衰退、食料危機、環境破壊、気候変動問題などの対策にもつながるのだ。21世紀のさまざまな課題解決の糸口となり自然への見方が変わる、野心的な“土壌のバイブル”!