1941年、無敵を誇った日系人野球チーム「バンクーバー朝日」は真珠湾攻撃を機に解散。すべての日系人は強制収容所へ送られる。ところがその頃、元エース・テディ古本は密かに日本に入国し、NHK英語アナウンサーとなっていた。2つのパスポート、軍の暗躍、冠番組の放送、そして戦犯指名。テディは日加の懸け橋となり愛する人たちを救えるのか?歴史に埋もれた壮大な物語がふたたび幕を開ける!
源氏物語には795首の和歌が登場する。ここぞ、というときの和歌は、恋のゆくえを大きく左右する。心の結晶である和歌を、小石のように飛び越えてしまうのではなく、氷砂糖をなめるように味わったならば、源氏物語の世界はさらに豊かな表情を見せてくれるだろう。千年の時を越え、「万智訳」でよみがえる愛の物語。
黒海の東の果て、コルキスの地の樫の巨木に張られた全羊毛を持ち帰るように王から命じられた英雄イアソンはアルゴ船の一行と大航海に乗り出したー古代ギリシアの神々や英雄が織りなす雄大な叙事詩の唯一の邦訳。
国連やNGOや他国による中途半端な「人道介入」が、戦争を終わらせるのではなく、戦争を長引かせる。無理に停戦させても、紛争の原因たる「火種」を凍結するだけだ。本当の平和は、徹底的に戦った後でなければ訪れない。
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。
『クマのプーさん』の翻訳者で、子ども達のために奔走した児童文学の第一人者・石井桃子。一家の働き手として昼夜働き通しの子役時代から、その鋭い眼差しで周囲を見ていた名優・高峰秀子。才気溢れる二人がのこした作品は、時代を超えて輝きを放つ。豊かな表現力で紡がれた情感溢れるエッセイ集。
「それは人間であることとなんの関係があるのか。」フランス・ルネサンス文学の泰斗が、宗教改革をはじめさまざまな価値の転換に翻弄されながらも、その思想を貫いたユマニスト(ヒューマニスト)たちーエラスムス、ラブレー、モンテーニュらを通して、「人間らしく生きようとする心根と、そのために必要な、時代を見透かす眼をもつこと」の尊さを伝える名著。
故郷をおんでて何十年、他国に流離で十何年、親も夫も子も危機で、死と老いと病とが降りかかる。それでも生き抜く伊藤しろみ。この苦が、あの苦が、すべて抜けていきますように。本書は詩であり、語り物であり、また、すべての苦労する女たちへの道しるべである。単行本未収だったとげ抜きスケッチ2篇を巻末特別収録。萩原朔太郎賞・紫式部賞W受賞作。
伝灯、清規、問答、語録…「禅」は、こうして、「禅宗」となった!
高瀬舟で江戸に戻る途上で米屋の主人が変死を遂げた。折しも古河藩から迎えた養子と娘の祝言が決まった矢先の出来事だった。東吾が探っていくうちに、主人の懐に百両もの大金が残されていたことが判明。果たして何のための金だったのかー。東吾の推理が冴えわたる表題作ほか「伝通院の僧」「名月や」「紅葉散る」など全八篇。
全200項目で古代ギリシャから現代までの西洋音楽と明治以降の日本における西洋音楽の歩みを詳説!変動する時代に人々が作りだしてきた音楽の歴史に迫る!各時代に響いた音楽とその背景にある社会史を結び付けて解説。音楽を取り巻くさまざまな芸術理論をわかりやすく解説。興味と関心を深める図版とコラムを豊富に掲載。「聴いておきたい名曲」では各時代の音楽の特徴を理解できるよう解説。「まとめと今後の勉強のために」で学びを深めるポイントを掲載。