二〇一九年、無名のアーティストが歌う『凪に溺れる』という曲が、突如ネット上で拡散され始めた。その曲は多くの人々を魅了するが、後日、公式サイトにて、ボーカルの霧野十太が一年前に亡くなったことが発表される。なぜ今になって『凪に溺れる』が注目を浴びているのか。霧野十太とは何者なのかー。一人の天才音楽青年と、彼が作った歌を軸に、夢と現実との狭間で藻掻く六人を描いた著者渾身の青春小説。
昭和八年、共産主義者弾圧の嵐が吹き荒れ、多くの若い華族が逮捕された。その中に紅一点、維新の元勲・岩倉具視のひ孫がいたー。岩倉靖子、二十歳。転向を拒否し、八ヵ月半を獄中で過ごした靖子は、信仰に光を見出すが…。「おっとりしたおとなしい」少女に一体何が起きたのか。貴重な資料や手記を紐解きながら、出自と時代に翻弄された令嬢の悲劇に迫る。
「犬をかいたいんだけど」ってぼくがいっても、ママは「だめ」っていうんだ。だからある日、「ドラゴンをかいたいんだけど」っていってみた。そしたら…?おしゃれなママとかしこいぼうやの、ユーモラスな絵本。
ハマを興奮の渦に巻き込んだ『横浜大戦争』の続編が文庫化!横浜各区の土地神である中の神、西の神、保土ケ谷の神が明治時代へ飛ばされた!戸惑う神々へ手助けを申し出た商家の娘・れんげが誘拐され、神々は奪還を決意。れんげの運命やいかに!?神々は現代に戻れるのか!?濃厚な文庫版特別付録「神々名鑑と掌編」も必読!
自分用に書いた日記と、公表を期して清書した日記ー「アンネの日記」が2種類存在したことはあまりにも有名だ。その2つを編集した“完全版”に、さらに新たに発見された日記を加えた“増補新訂版”が誕生した。ナチ占領下の異常な環境の中で13歳から15歳という思春期を過ごした少女の夢と悩みが、より瑞々しくよみがえる。
1946年から51年まで、沖縄はケーキ(景気)時代と呼ばれていた。誰もがこぞって密貿易にかかわる異様な時代。誰にも頼れないかわりに、才覚、度胸ひとつで大金をつかむことができた時代であった。彼らから「女親分」と呼ばれた夏子は、彼らの上に君臨したわけではない。貧しかったが夢のあった時代の象徴だった。十二年におよぶ丹念な取材で掘りおこされた、すべてが崩壊した沖縄の失意と傷跡のなかのどこか晴れ晴れとした空気。大宅壮一ノンフィクション賞に輝いた占領下の沖縄秘史。
われらは死花に非ず!-沼田城を北條に譲り渡せ、という家康の理不尽な要求を拒否した昌幸。上田城に攻め寄せる徳川の大軍に、果たしてどう立ち向かうのか。そして時代は関ヶ原へ。三成に付くことを決断した昌幸の上田城に、再び徳川の大軍が迫る…。「表裏比興の者」と呼ばれながらも、戦国の世において智略をもって真田家を守り抜き、矜恃を貫いた男の生涯を、圧倒的迫力で描く歴史巨編、完結。
カミカラ初登場、ふなっしーをはじめバラエティに富んだ10作品!子どもから大人まで大満足!動くペーパークラフト。
時代に逆行する「徒弟制度」「共同生活」が、技の継承に必要なのはなぜか?法隆寺最後の宮大工・故西岡常一の内弟子を務めた後、「鵤工舎」を設立、数々の寺社建設を手がけ、後進を育てた著者が、引退を機に語る金言。「技を身につけるのに、早道も近道も裏道もない」「任せる時期が遅かったら人は腐るで」。心に染みる言葉の数々。