ジェンダー研究の「パイオニア」たちは、どのように学問の道を志し、課題を探究してきたのか。研究中の困難や研究への思い、運動や政治との関係も絡め、後続世代が先達21人に果敢に問う。世代や領域を横断する対話を通じて研究の根幹を継承し、現代的課題を見出すに至る、類例なきインタビュー集。
教科書から一歩先に進みたいあなたへ。データ分析の進歩が、経済学に留まらない多様な研究の可能性を拓く。
古文書や説話集などの史料を渉猟し、中世の文化と社会にとって基本的な事柄をジェンダーの視点で分析。中世日本を舞台に、ジェンダーをキーワードとして、人間の文化史を読み解こうとする意欲的な試みの書。
「仕事も家庭もあきらめないで、すべてを手に入れましょう」「欠点を受け容れ、粘り強く立ち直りましょう」「福祉に頼るのはだらしなさの証拠です」「あんなふうになりたくないでしょう?」-映画、雑誌、テレビにSNSと、至るところから絶え間なく響く呼びかけに駆り立てられ、あるいは抑えつけられる女性たちの生。苛烈な「自己責任」の時代を生きる女性たちに課された幾重もの抑圧をさまざまな文化事象の分析を通じて鋭く抉り出す。一九九〇年代以後のフェミニズム理論を牽引してきた著者の到達点にして、待望の初邦訳書。
ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ。パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!“翻案の効用”とは、『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし、「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか…etc.閉塞する現代社会を解きほぐす最新批評集!
「クリエイティブであれ」という呪縛が生み出す、現代の“終わりなき労働”とその構造ー。「自由」や「自己実現」と巧みに結びついて若者を魅了するクリエイティブな世界。劣悪な労働環境を甘受し、マルチタスク化に対応する「新しいミドルクラスの女性」は、いかにして作り出されるのか?クリエイティブ経済の絶頂期を、フェミニズムの視座から批判的に捉える。
フェミニズムの賞味期限はすぎたのだろうか?血となり肉となったことばたち。
本書はアメリカ、イギリス、ドイツ、日本の四カ国を対象に、各国の第一線の研究者が非標準的な雇用形態および労働市場の規制に焦点をあて、知識経済の状況と展開をジェンダーの視点から比較検討する。緊密な国際的共同研究にもとづき、持続的な経済社会を構築する条件を展望。
結婚して21年目、3人の息子を育てた「婦婦」が「新しい家族の形」を国に問題提起した!
芸術とは何か?天才がイメージさせるのはいかなる人物か?芸術と工芸との境界とは?プラトンにまで遡る理論言説の小史をジェンダーという視点から振り返り、美をめぐるその思考のうちに暗黙裡に潜む、男性的/女性的という、二項対立的な概念体系の伝統を批判的に解明。そして今、もはやそれら過去の規範では解釈しきれない現代アートについてどんな言葉で語りえるのか、フェミニスト・アートを具体例にみながら、美学の新たな可能性を探っていく。