大日本帝国「臣民」/日本国憲法下の「国民」概念及び植民地教育に現れた民族・階級・ジェンダーの関係性、また「慰安婦」制度・公娼制度に現れた女性の身体とその言説に現れた民族・階級・ジェンダーの関係性、さらに1990年代の「慰安婦」問題解決運動を取りまく日本社会や韓国社会に現れた継続する植民地主義とジェンダーの関係性を分析したものである。
日本の性別分業意識が途上国から女性の人身取引を引き寄せ、世界貿易機関の協定が途上国の女性のエイズ被害を深刻化させる。ジェンダー格差に根差す複合的な不公正は、地球の持続性にとって最大の脅威である。より公正なグローバル・コミュニティの構築に向けて、経済学、政治学、文化人類学、社会学、国際関係論、国際法学が扉を開く。
“ことばを使う行為”を通して、私たちはどのような女/男であろうとしているのか。“ことば…”はジェンダーの権力関係にどう左右されるのか/どう変革しているのか。ジェンダーに関するイメージ・規範・カテゴリーは“ことば…”によってどのように作り上げられ正当化され普及しているのか?研究史と最新の成果。
フセイン政権から女性を「解放」し民主化の実現を掲げたアメリカ主導のイラク戦争から十数年、戦争によってイラク女性は「解放」されたのだろうか。占領統治の女性政策、「民主的」選挙の実情、イスラーム主義勢力の宗派対立と女性の処遇など、様々な側面から女性を通して戦後イラクの実態を分析する。
オペラにおいて女性と男性が文化としてどのように表現されているか?歴史上のさまざまな時代に欲望と快楽は音楽でどのように構成されてきたか?音楽理論ではジェンダーを内包するメタファーがどのように行き渡っているか?ジェンダーとセクシュアリティの視点からひらく音楽学の新たな地平。
女が主役、男は脇役=広告の世界。現実社会でも女たちは、主役だろうか。-広告から戦後の女と男のありようをとらえ、そこに投影された時代の意識とそれが意味するものをよむ。
ジェンダー論の決定版テキスト最新版!女と男をトータルに論じた好評の入門書。恋愛、労働、育児など生活のいろいろな場面に焦点をあてた本文、女と男をめぐる名言・迷言集、マンガ、学問の営みを解説した特別講義、コラム、参加・発見型学習のためのエクササイズなど、工夫された構成で迫ります。最新データを盛り込みますますパワーアップ。
人権とジェンダーを学ぶわかりやすい基本書。夫婦別姓訴訟、性的指向・性的マイノリティー(LGBT)・同性婚、性暴力、ストーカー、マタハラ、デートDV、JKビジネス等々、最新の問題にも言及。
「女/母」の身体性から、いまフェミニンの臨床哲学を拓く。マイノリティ諸当事者の問題に対峙し、フェミニズムのポスト構造主義ジェンダー論からクィア理論の問題意識へと踏み込み、新たな倫理的価値軸と主体像を模索する。
ジェンダーの理解は実践のなかにある。実践に内在する合理性を描きだす…“自由意志”対“決定論”の躓きを超えて意味秩序をとらえる社会学的記述の全て。
本書は日韓の女性たちが初めて、ともにつくった近現代史書です。日本と韓国は海を挟んでむかいあい、長い交流の歴史があります。しかし、近代の日韓の関係は日本の植民地支配にはじまり、韓国の人びとを戦争にまきこみ、癒しがたい傷を残しました。この本がめざしたのは、ジェンダーの視点から過去をとらえなおし、歴史的体験を共有することです。そして、どのようにして戦争のない未来をつくっていくか、若い世代とともに考えたいのです。
無意識のうちに私たちを強く捉えているジェンダー。その歴史は驚きと発見に満ちている。日本で「男」と「女」という区分はいつ生まれたのか?日本の社会の中でジェンダーはどのような意味を持ち、どう変化してきたのか?豊富な資料を通して、これらの問いについて考える。二〇二〇年秋、国立歴史民俗博物館で開催され、大きな話題を呼んだ「性差の日本史」のダイジェスト版。
多様な属性をもった文化的・社会的存在として男女をとらえ、男女の心理学的事象にかかわる真実をジェンダーの視点から客観的、多面的、体系的に明らかにすることをめざした書。ジェンダー研究は、個人としての男性と女性のあり方および両者の関係のメカニズムについて幅広く学際的に研究する科学であり、心理学だけではなく、多くの分野に新しい視座を提供している。本書は、斯学の絶好の解説書といえる。