企業の社会的責任(CSR)を考慮する上で、重要な指標になっているヒューマン・ライツの問題に焦点を合わせ、企業文化論のアプローチを使用しながら、CSRの本質に迫る。著者のこれまでの企業文化のジェンダリング研究の蓄積をもとに、企業の雇用管理体制におけるヒューマン・ライツへの配慮をジェンダー平等、ワーク・ライフ・バランス、障害者雇用の3側面から捉え直し、CSRの本質を企業文化論的に解読。
仏教は女性を救済するか?「肉食妻帯勝手」の布告より140年、僧侶の妻、尼僧、女性信徒、仏教界で女性の立場はどう変わってきたのか。女性による仏教改革運動のフェミニスト・エスノグラフィー。
男とは何か?女とは何か?
浮かび上がる様々な問い。そして、問われる「私」。陽気・大家族・恋愛に奔放…多くのイメージに囲まれたイタリア。その実態とは?
変わりゆく女性の生き方から、夫婦と親子の未来を読み解く。『結婚と家族に関する国際比較調査(JGGS)』の大規模パネルデータを基に、進学、就業から結婚、出産、育児、そして介護まで広範なライフステージに焦点を当て、日本社会の変容と少子化の深因を描き出す。
アラブの春の残響のなか北部シリアで、世界の関心を熱くし、列強を恐れさせる革命が継続している。内戦・イスラム国との死闘の果てに樹立された独立自治政府が目指すは、草の根民主主義・ジェンダーの解放・エコロジー重視などの先進的理念。その実現には女性の自由こそが必須の条件なのだ。ロジャヴァから究極の革命の意味と実情を、総合的に追究する。
日本の女たちが長く秘めてきた飢えや渇望を、『女坂』、「妖」など一連の、古典を媒介とするポリフォニックな小説群として浮上させ、戦後女性文学の金字塔を打ち立てた作家円地文子をジェンダーの視点から問い直す。
近代になって女性の労働力はいかにして市場に投入されたのか。本書は電話交換が技術発展により、男性から女性の仕事へ変わっていく過程を日独比較から捉える。男と女の仕事の棲み分けを作り上げた社会の一側面を解き明かす。
「国民の仏教」=「鎌倉新仏教」論の生成、西洋との遭遇、「国家神道体制」の成立、対外戦争の勃発、「良妻賢母」という規範の喧伝ー。近代日本における国民国家形成のプロセスにおいて、仏教はいかに「国民国家の“宗教”」たろうとしたのか。また、そこにはいかなる葛藤があったのか。主に浄土真宗(真宗大谷派)に関する諸問題を題材に、真宗者・真宗教団が打ち出した信仰(信心)の言説を分析し、国民国家と仏教の関係をいま改めて考察する。
グローバルな資本主義市場、パワーゲームが支配する国際情勢の中で、女性は自らを取り戻すためにどうあるべきか。ナショナリズムの陰で女性たちは家父長制度にとりこまれることなくどう戦略をたてるべきか?消費者である富裕層の女性と生産者である貧困層の女性はどう連帯できるのか?私たちは何に気づくべきだろうか?フェミニズムの分析フレームから好奇心と関心をもって世の中を眺める方法を示しつつ女性たちの置かれている状況を鋭く暴く。
転換期の日本社会において家族はどこに向かうのか法はどうあるべきなのか。「家族のリアル」を分析し、課題を明らかにした上で、法制度のあり方を提起。「家族」をめぐる既存の規範や法制度が孕む問題を、ジェンダー/セクシュアリティ/子どもの視点から、究極的には人権の視点から再検討する。社会学・法学・政治学など学問分野を横断して「家族」のあり方を掘り下げて論じるとともに、実務家とも協働して具体的提言を行う。
男女をめぐるさまざまな意識が変わりはじめた七〇年代。歌謡曲もまた日本の音楽史のなかで、劇的に変化した時期だった。時代の空気に敏感に反応する流行歌には、男女の姿が徹底的に描きだされている。理想の恋愛像や親子像、既成の「男らしさ、女らしさ」とそれに代わる新しい価値観…。歌謡曲という大衆芸術は、今日にいかなる遺産を残したのか。阿久悠、松本隆、阿木燿子らの詩、ピンク・レディー、桑田佳祐、太田裕美らの歌を丹念に読みとき、男女間の変遷を掘りおこしていく。文学や社会学の領域をも超え、七〇年代を俯瞰する文化論としても読むことができるダイナミックな試み。
「男性の肛門を性具で貫くことでトランスフォビアを治す」、フェミニズムの用語で書き換えたヒトラー『わが闘争』等、著者らが学術誌に投稿したデタラメ論文20本中7本が査読を通過したー。現代世界を席捲する「社会正義」その根拠を問う。
本書では日本の今の現状を「企業中心・ライフスタイル管理型家父長制」と定義するところから、この90年代末を生きる日本社会の女性の現実をとらえ、日本のフェミニズムが主婦フェミニズムといわれてきたその限界を超える女性学の方向を考える。
元始、女性は太陽であったのか。人類の歴史を書き変える性考古学の快著ついに登場!日本はもちろん世界の考古・古代史家が置き去りにしてきたジェンダーの視点から新しい先史・古代史像を構築しようとする画期的な試み!考古・歴史ファン、女性読者、必読。