必要なのは、「包摂」や「多様性」による改修ではなく、解体だ。白人女性の利益のためにマイノリティを抑圧し、差別構造を利用してきたホワイト・フェミニズムと、それに対抗し、黒人、先住民、クィア、トランスジェンダーなどのマイノリティ女性たちが実践してきたインターセクショナル・フェミニズムの歴史を活写する。
働き方の、生活のしかたの、夫婦のありかたの、そして生き方の選択肢が多ければ多いほど、女も男も自由に、「自分らしく」生きられる。家庭で、職場で、地域で、女としての生きにくさを感じた女たちは、自分たちの手でその状況を変えてしまおうと、さまざまな行動を起こしていた。
映画は「女性を描けない」のか?型にはめれば分かりやすい。でも、型にはめなければもっと深く分かる!変えられない筋書きも、捉え直してみせる。アクション、ホラー、時代劇、アニメ…。フェミニズムが鋭く批判する家父長制の文脈だけでは語りきれない、女性キャラクターの自発性をどのように取り出せるのか。白雪姫もシンデレラも好きだったあなたへ送る、異色のフェミニズム批評。
本書は、近年盛り上がりを見せる「分析フェミニズム」の重要な論文を紹介する。分析フェミニズムは、英米系の分析哲学と呼ばれる潮流のなかでフェミニズムに関わるさまざまな問いに取り組む分野である。たとえば、「女性」概念をどう定義すべきか、性的なモノ扱いとはどういうことか、マイノリティの声はどのように封じられるのか、トランスジェンダーの人々を抑圧するレトリックの根底にあるものは何か、といった問いが分析哲学の手法を用いて論じられている。本書では、形而上学、認識論、倫理学の主要なトピックから、代表的な論文8本を選定。いずれも海外のフェミニズム哲学の授業で頻繁に講読されている必読論文である。
初エッセイ集。あらゆるものの革命的生存を祈って。アナーキズム×フェミニズム。
これからのジェンダー平等。社会理論としてのフェミニズムは、今まで何を成し遂げ、何が課題として残っているのか。第一人者が描く次の一歩。
物語の力を信じる画期的文学論。
「仕事も家庭もあきらめないで、すべてを手に入れましょう」「欠点を受け容れ、粘り強く立ち直りましょう」「福祉に頼るのはだらしなさの証拠です」「あんなふうになりたくないでしょう?」-映画、雑誌、テレビにSNSと、至るところから絶え間なく響く呼びかけに駆り立てられ、あるいは抑えつけられる女性たちの生。苛烈な「自己責任」の時代を生きる女性たちに課された幾重もの抑圧をさまざまな文化事象の分析を通じて鋭く抉り出す。一九九〇年代以後のフェミニズム理論を牽引してきた著者の到達点にして、待望の初邦訳書。
ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュによる、夫と別れたママ友同士の愛と連帯を描いた「離婚の妖精」をはじめ、人気作家一二名の短編小説が勢揃い!「韓国・フェミニズム・日本」というお題の元に寄稿された、日本&韓国文学の最前線がわかる豪華アンソロジー。
「嫁に出した娘はこぼした水も同然」-女性は嫁いだら夫の家を中心に生活を営み、父親の家からは排除されるという諺。結婚した女性は、父親の村であれ夫の村であれ土地を分配され、土地が収用された場合は補償金等を受け取る権利がある。しかし、この諺を制度化した規定によって、村外の男性と結婚し出身村で生活する女性、外国人や都市戸籍の男性と結婚して戸籍を移せない女性、離婚して生家に戻った女性、まもなく結婚して村外へ移住すると予測される未婚女性等が権利を剥奪され、「農嫁女」が生み出されていった。中国農村女性の農地をめぐる権利の侵害「農嫁女問題」はなぜ高度成長期に発生したのか。ジェンダー秩序の再編は資本蓄積の中でどんな役割を果たしたのか。本書は「農嫁女問題」の発生原因を歴史、政治経済の2つの側面から分析するとともに、農嫁女の抵抗運動についても実地調査をもとに紹介する。
ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ。パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!“翻案の効用”とは、『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし、「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか…etc.閉塞する現代社会を解きほぐす最新批評集!
家族とは何か。女らしさ・男らしさや愛情にもとづく家族は普遍的なのか。フェミニズムから出発し、視角と方法としての歴史社会学を駆使して家族研究の新展開をもたらした古典的名著。重要論考と書き下ろしの自著解題を収録した増補新版。
フェミニストとして生きるということは、その言動で他人の喜びを奪い、うんざりさせる存在になることかもしれない。それでも闘おう、ともに。あなたの存在と身体で。現代フェミニズムの最前線で注目される書き手が、自身の経験と魅力的な言葉の数々で呼びかける、連帯への挨拶。