女性への抑圧はいったい何に由来するのか。著者は主婦・家事労働に着目しつつ、階級闘争でも性解放運動でも突破しえなかった、近代資本制社会に特有の女性抑圧構造を、理論的、歴史的に明快に論じてみせた。マルクス主義フェミニズムの立場を打ち出し、研究の新たな地平を拓いた記念碑的著作。
フェミニズムとしての女性史研究は、性差を構築し内面化させる「近代」そのものを問い直す実践である。それは「近代」というストーリーを補強する制度的な知としての「歴史学」への鋭い問いでもある。その視座と方法をめぐる提起と議論、実践としての地域女性史研究、聞き書き、近代がもたらした排除と分断のプロセスの分析を紹介。問いかける側のリアリティをも揺るがしつつ紡がれた成果である。
文×論。
【連作】
「耳たぶに触れる」小川洋子
【中篇一挙掲載】
「春の苺」青木淳悟
「猿の戴冠式」小砂川チト
「コレクターズ・ハイ」村雲菜月
【『マルクス解体 プロメテウスの夢とその先』刊行記念】
「資本主義の先にあるもの」斎藤幸平、聞き手・構成=斎藤哲也
【『「誰でもよいあなた」へーー投壜通信』刊行記念】
・書評
「小説にとっての庭、そして「誰でもよいあなた」」町屋良平
・本の名刺
『「誰でもよいあなた」へーー投壜通信』伊藤潤一郎
【New Manual】
「ワンピース旅をする」山内マリコ
【秋のエッセイフェス】
「恋愛アニメの雪月花」石田光規
「星座が街に溶け込めば」久保勇貴
「断ち切られた悲しみ」崎川修
「「#国は安楽死を認めてください」について、どう考えるべきか」末木新
「スナック涼のこと」武塙麻衣子
「「おいしい」のリハビリ」寺本愛
「海を眺める」頭山ゆう紀
「研究の愉しみ」徳田功
「ふたつか、ひとつか」ひらいめぐみ
「「教養としての」とは何なのか」牧野智和
「仏前のフェミニズム」ユリ・アボ
【続々完結・最終回】
「翔ぶ女たち」小川公代
「磯崎新論」田中純
「こんな日もある 競馬徒然草」古井由吉
【本の名刺】
『トゥデイズ』長嶋有
【連載・書評】
町田康/井戸川射子/上田岳弘/保坂和志/堀江敏幸/丸山俊一/新田啓子/岩内章太郎/吉岡乾/岩川ありさ/戸谷洋志/松村圭一郎/木下龍也/諏訪部浩一/青葉市子/鎌田裕樹/奈倉有里/宇野常寛/永井玲衣/百瀬文/三木那由他/竹田ダニエル/穂村弘/くどうれいん/石井ゆかり/大澤真幸/川勝徳重/年森瑛/小池水音/小林エリカ/高柳聡子
「国家」と「わたし」の関係はどうあるべきか。過去のシティズンシップ(「市民権」)論、主にリベラリズムの議論を批判的に再検討しながら、「平等で自由な人格」がよりよく尊重されるための新たな理念を構想する。いかなる者の視点をも排除しない可能性を秘めたフェミニズム・シティズンシップ論につづき、誰かに依存せざるを得ない存在であるわたしたちにとって不可欠の「ケア関係」に着目した章を増補。本書は、「シティズンシップ」論入門として最適であると同時に、社会科学の新局面をひらく挑戦の書である。
フェミニズムをまともに語り直すために。法を社会的差別の隠蔽装置とする短絡を戒め、法の役割を真剣に考える。安逸と独断のまどろみを衝く、法哲学の鋭鋒。
密かに進行するジェンダーフリー教育や過激な性教育、多発するドメスティック・バイオレンス告発にセクハラ訴訟。これらの現象に底流する思想こそフェミニズムであり、その目的とするところは「家族の解体」と「男女が敵対」する社会の実現に他ならない。本書はこの現代の“悪魔の思想”の正体を余すところなく明らかにした「フェミニズム解体新書」である。
なぜ「対立」は生まれたのか?保守運動家・フェミニストへのフィールドワークと、膨大な資料分析から、「対立」の背景を明らかにする。
女性の生と性への縛りに抗し、果敢にたたかってきた近代のフェミニストたち。明治・大正から戦後までのジェンダーと家族・国家の歴史に分け入り、異性愛や血縁に拠らない新たな家族のつながり、社会との関係性を探る。女性天皇・男女共同参画をめぐるジェンダーバッシングにも正面からこたえる。
爆撃されるイラクの街に生き茂った棗椰子が、世界を変える夢の力を呼びさますー第三世界の女性たちの声に耳を澄ましフェミニズムを大きく動かした著者が、文学や映画をはじめとして、出来事の深みに降りゆく想像力をもつさまざまな試みのなかに、新たな世界への扉をさぐりあてる。
「父」を楽しませてやりなさいな。でも、彼の法に服従してはだめ。フェミニズム=「娘のテクスト」は「精神分析の聖典/正典/性典」=「父のテクスト」の内部に入り込み、解体し、未知なる生命を得る。交錯するテクスト間に渦まく欲望を味わい尽くし、精神分析とフェミニズム双方に新たな視座を拓くフェミニズム批評の到達点。
フェミニズムとは性差別にもとづく搾取や抑圧の構造を問い、その変革を目指す思想のはずである。だが、いわゆる「第一世界」のフェミニズムは、「帝国」による植民地支配に起源する植民地主義を見落としたまま主張されてきた。植民地主義と性差別という複合的な抑圧のもとにある朝鮮女性たちが、真の人間性を求めて辿った苦闘の軌跡を描きながら、開かれたフェミニズムの可能性を問う。
なぜ「クラスでいちばんかわいい女の子」しずかちゃんは、凡庸なのび太の妻となるのか。なぜジャイアンとスネ夫は、必ずタッグを組んでのび太をいじめるのか。なぜのび太は、いじめっ子と絶縁する道を選べないのか。なぜドラえもんは、のび太を助けに学校には行けないのか。なぜ『ドラえもん』世界の住人は、ドラえもんを見かけても驚かないのかー。『ドラえもん』を多角的に読み解けば、現代社会が見えてくる。『ドラえもん』は、世の中の縮図だ!
表紙:TWICE MINA
1
●センスがいい人のスタイル術
身の回りにいるセンスのいい人は、自分のおしゃれ力を磨く最高の教科書。
世界の都市で見つけたファッショニスタたちのクローゼットや、私的マストアイテム、
注目トレンドを、秋冬コーディネートのヒントにしよう。
2
●思い込みをはずせ!最新フェミニズム案内
多様性の尊重や性差別からの解放が叫ばれる時代で手ごわいのは、これまで培われてきた思い込みや刷り込みによる考えを変えること。
誰もが自分らしく生きるために、心のバイアスから自由にしてくれるヒントを本やドラマ、映画などカルチャーからもらおう。
3
●モードなオケージョンスタイル
パーティーやディナーなど、ドレスアップして
出かけるシーンが増えるホリデーシーズンに向け、
ELLE流のオケージョンスタイルを提案。
ルールやマナーの多いドレスコードを楽しむための
着こなしレッスン、スタート!
4
●香りのチカラを味方につける
脳に直接作用するといわれる「香り」。今の時代を生き抜く「力」を得るために、
私をエンパワーメントしてくれるベストなフレグランスを見つけよう。
5
●白髪、どうしてる?
進化を続ける白髪ケア研究にグレイヘアの浸透など、
今、白髪を取り巻く環境や価値観は大きく変わってきている。
最新研究とリアルボイスから、自分らしさを表現するための
白髪との向き合い方を見つけてみよう。
6
●私の好きなクロード・モネ
あまりにも有名なモネだけど、意外と知らないことがある……そんなふうに思う人も多いのでは?
国内外からモネ作品が大集結する展覧会「モネ 連作の情景」の開催に合わせて、
モネとの思い出が深い3人の方々に、作品との出合いや魅力をたっぷりと語ってもらった。
7
●NCT テヨン 異次元の魅力を放つ
NCT 127のカムバックの話題が
記憶に新しいテヨン。
グローバル ブランド アンバサダーを務める
ロエベの2023-24年秋冬コレクションを
軽やかにまとい、
時代を先駆ける無二のカリスマを
ELLE KOREAがキャッチ!
※NCT テヨンの特集(インタビューを含む13p)は『ELLE KOREA』2023年9月号からの転載です。
表紙:SHINee
『エル・ジャポン』4月号 SHINee特別版は、SHINeeが表紙を飾るだけでなく、通常版より拡大の9ページでSHINeeの特集をお届けする特別エディションです。
※通常版と特別版では、下記内容が異なります。
・表紙(特別版の表紙=SHINee)
・SHINeeが登場する企画「ELLE MEN」のページ数(特別版は、通常版のELLE MEN特集ページに加えて追加ページがあります)
※通常版に掲載される写真はすべて、特別版にも収載予定です。
【特集】
●新生活は、新しい私に着替えよう!
春は、環境が大きく変わる人もいれば
気持ちの面で心機一転する人も多い、新生活シーズン。
そこで、おしゃれもフレッシュなムードを後押しする新しいスタイルにアップデートを。
それぞれの新生活を支える着まわしの正攻法から、
今こそ投資したい憧れブランドのベーシックアイテム、
おしゃれの偏差値をアップさせる、一生ものジュエリーやビスポーク小物まで、
私も、ワードローブも、これまでとはひと味違うワンランク上にレベルアップ!
●私らしい未来の働き方
人生100年時代、AI技術の発展、副業など、仕事をめぐる環境が激変するなかで、
私たちはどう考え方をシフトチェンジし、働き方を選択していけばよいのか?
一人ひとりが心地よく暮らす未来に向けて、自分らしいキャリアを考えてみよう!
●激動するハリウッドの“これから”
フェミニズムや多様性、コロナ禍、配信サービスの台頭、そしてストライキと、業界の根幹を激震させるような
変革の時を迎えたハリウッド。世界の映画界の行く末を暗示するエンタメの殿堂の“今”に迫る。
●脳疲労をセルフケア
世界的に見て睡眠時間が短い多くの日本人が陥っているといわれる“脳疲労”。
が、ちょっとしたアクションを実践するだけで、頭の重だるさは解消できる。今日からスッキリ脳へシフトして!
●アスティエ・ド・ヴィラットの世界
繊細なフォルムと白い釉薬がつややかな表情を見せる、
古と今が共存した独創的なデザイン。
世界中から愛される、アスティエ・ド・ヴィラットの魅力を丸ごとご紹介!