本書は、セクシュアリティという領域をゲイの視点-ゲイ・スタディーズという方法-を通して解明しようと試みている。そして、そのことによって明らかになる同性愛と異性愛の関係性を、いまの社会の中で同性愛者がどこに位置し、異性愛者がどこに位置しているのかという切り口から語ることを目指している。
プラトン、ミケランジェロ、ナポレオン、ルートヴィヒ二世、ダヴィッド、バルザック、シューベルト、モーツァルト、ワイルド、プルースト、フロイト、トーマス・マン、ジッド、モンテルラン、フォースター、パゾリーニ、三島、ジュネ、フーコー、ヴィスコンティ、アイヴォリー…。有史以来の偉大な才能とホモセクシャリティとのかかわりを通じて、久しく断罪されてきた同性愛文化の歴史と変容を見極める、フェルナンデスの力作評論。
60年代末、ゲイの権利獲得の闘いが始まったー1969年6月28日、NYのゲイバーに警官隊が突入。この「ストーンウォール事件」以来、ゲイの解放運動は一気に街頭へとひろがった。たとえ少数派でも生活は多数派と同じように認められねばならない。存在証明を確立するために性的マイノリティが強いられた苦難の「近代」を考察する。
「美のための美」はなぜ進化したのか?メスが美的感覚をもとに配偶者を選び、オスを改造していくー世界的鳥類学者が刺激的な新説を提唱し、華麗な鳥の羽から人間の同性愛まで、従来の進化論では解き明かせない美と性の謎に斬り込む野心作。ピューリッツァー賞(2018年)ファイナリスト。ニューヨークタイムズ紙「年間ベストブック10冊」(2017年)選出。
生後すぐの赤ん坊、薬物中毒の男、がんと闘病していた少女、大好きだった祖父…あらゆる形の死に接した葬儀屋がつづる感動と再生の物語。
父系でのみ受け継がれるY染色体遺伝子の生存戦略が、世界の歴史を動かしてきた。二つの性の誕生、進化における性の役割、男性間あるいは男女間の遺伝子存続を懸けた戦い…。地球生命の進化史を再検証することで、人類の戦争や暴力の背景にある「アダムの呪い」が次第に浮かびあがる。そして、その果てには「男性のいない世界」が待ち受けるという、衝撃の未来予測まで語る!
第1部は「心」です。心はどこにあるのでしょうか?心を見つめることは私たちにとって、どのような意味があるのでしょうか?臨床心理学の礎となる理論をもとに学んでいきましょう。第2部では「身体」の側面から、自分という存在について考えてみましょう。はじめに「心」と「身体」のつながりについて学びます。そしてその後は、私たちにとって自分の身体性がとくに強く感じられる「性」にも目を向けて見ましょう。第3部は、「心の病と健康」です。心身のバランスが崩れるとき、私たちにどのような変化が生じるのか、またそれを予防するためのちょっとしたコツも学んでいただけたら良いと思います。
野生のゴリラを知ることは、ヒトが何者か、自らを知ることーアフリカの熱帯雨林でゴリラと暮らした霊長類学者と、その言葉なき世界の気配を感じ取ろうとする小説家。京都大学の山極研究室で、野生のサルやシカが生息する屋久島の原生林の中で、現代に生きるヒトの本性をめぐり、二人の深い対話は続けられた。知のジャングルで、ゴリラから人間の姿がいきいきと浮かび上がる稀有な一冊。
「同性愛」をめぐるパラダイムが大きく変わりゆく時代に、ジェイムズはさまざまな「愛」に関する思考を、どのように小説という表現形式に結晶させたのか。異性愛やきょうだい愛、親子愛と重ねあわせつつ描かれる「同性愛」表現の多様性に注目しながら、ジェイムズの主要作品を読み直す。
ルネサンス時代の驚きの事実!太古の昔からあった男性同性愛は、いつしか忌まわしいものと思われるようになった…。現世の欲望の解放の時代といわれるルネサンスのなかで、呪わしい悪業として恐れられながらも各地に遍在した男色行為が近代初頭にむかえた変貌とは?
三島由紀夫、オスカー・ワイルドからフレディ・マーキュリーまで。古今東西の事例や本邦初公開を含む学説から「子を残しにくいはずなのに常に一定の割合を保ち続ける」同性愛者のパラドックスに挑む。
レズビアンやゲイの人生の目的とは何か。同性愛を世界の文化、歴史的視点から考察する絶好の入門書。