基地建設による埋め立ては、この生きものたちの楽園に壊滅的な打撃を与える。日本生態学会(会員4000人)をはじめ19学会は、連名で2014年11月、防衛大臣に対し、基地建設を見直すよう、要望書を提出した。
生物多様性はなぜ大切なのか、なぜ保全しなければならないのか、生物多様性が失われたときどんな影響が出るのか。今後も私たちが豊かな自然と共生していくためには、どのような考えのもと、なにを実行していく必要があるのだろうか。かけがえのない多様な自然から、さまざまな恩恵を受けて生きている私たち人間。生物多様性の意味、仕組み、進化、保全を横断的に考え、その本質を理解するうえでの必読書。
『歌うカタツムリ』(毎日出版文化賞)などの著作で筆力に定評ある進化生物学者が、強力な「天敵」としての外来生物の研究史を通して、計り知れない複雑さをはらむ「自然」と、そこに介入せずには済まない人間と科学の業を描く。外来の天敵種は有害生物を制圧する救世主となりうる一方で、ときに最強の侵入者にもなりうる。それでも、生物多様性が秘める可能性に魅了された多くの生物研究者たちが、自ら「夢の」天敵種と信じる外来生物を招いてきた。本書が語るのは、そうした天敵導入をめぐる知的冒険、成功、そして、懐滅的な失敗の歴史だ。またその歴史は、産業革命の時代からグローバリゼーションの時代まで、時々の社会が奉じてきた自然観の驚くべき変転を映しだす鏡でもある。著者は、長く信じられてきた「自然のバランス」の実像や、生態系メカニズムの今日的な理解へと、読者を慎重に導いていく。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に敬意を払いつつ、その自然観をアップデートする書でもある。終盤では、著者自身が小笠原の父島で経験した、ある「天敵」との死闘が語られる。生物多様性の魅惑と生態学の醍醐味が詰まった、渾身の書き下ろし。
いまだ克服の道筋が見えない地球環境問題。日本を含む東アジア、東南アジアから南アジア、そして西アジアまで。豊富なデータと共に、各国環境問題の危機の多様性とダイナミズムを読み解く待望の研究入門書!
「自然再生」とはどのようにあるべきか。日本のNGOが模索してきた事例や歴史とともに、第一線の研究者、フィールドワーカー、行政担当者がそれぞれの現場から詳述する。その理念と技術的な諸問題を幅広く紹介。