公爵家の娘ヴィクトリアには秘密があった。父親が公爵ではなく、平民出の英雄と言われるヴィレガー将軍なのだ。ヴィクトリアが幼い頃に遠征へと出た将軍が戻ってきたのは、彼女が17歳になってからだった。憧れ続けた本当の父親に認めてもらいたいヴィクトリアだったが、「娘はいない」と否定されてしまう。失意の中、結婚を強要されそうになったヴィクトリアは、男装して士官学校に入学し!?
継母にいじめられ、召使いのようにこき使われているジェミーは、ある日、“おまえの結婚が決まった”と問答無用で言い渡される。紹介された貧相で好色そうな遠縁の老人を見て、彼女は決心したーこうなったら、かねて考えていたことを決行するしかないわ…。ジェミーは少年になりすますと夜陰に紛れて屋敷を逃げ出し、偶然会った伯爵リチャードの領地で庭師見習いをすることになった。万事順調と思われた矢先、先輩庭師に暴力を振るわれ、気を失ったジェミーはリチャードに助け出される。リチャードは庭師見習いの少年の体についた傷を確かめようと、そっとシャツを脱がせ…相手が少年でないことに驚愕した!
政略結婚を嫌がる王女アリシアに母が持ちかけたのは、男子魔法学園に入学して婚約者候補から結婚相手を見つけなさいという、無理難題!ところがアリシアが恋をしてしまったのは、候補外の美しい召喚士ルシウスだった。なぜかルシウスはアリシアが女であることを知っていて「卒業までの間、僕のものになれ。例えばこんなことをされてもー」と唇を奪われてしまい…!?
ローザンヌの王女セシーリアは実は魔女。弟レオンがセシーリアと魔王の婚姻を阻止したため、呪われてしまう。呪いを解くには究極の魔法書『運命の円環』が必要だ。魔女狩りで多くの書物を没収したヴァイスブルクの帝国図書館にある可能性が高いが、そこは女人禁制。とはいえ、魔法書は魔女にしか読めない。セシーリアは男装し、図書館へ潜入することに。そこで帝国の皇子と出会い…?
隣国の皇帝ジークヴァルトに恋心を抱いていたアンリ。王位を継ぐため『王子』として生きていくと決めた矢先、宮殿の離れで裸を見られて純潔を…。「もう君は俺のものだ」無骨だけど巧みな愛撫。厚い胸板に顔を埋め、灼熱の楔に貫かれて飛沫を浴びる快感。女の悦びを教え込む皇帝の熱い瞳に惹きつけられて、高鳴る胸。王族の務めと愛情で揺れるなか、運命のプロポーズを受けて!?
1805年英国。サリーの家の男は代々海軍に入隊する決まりだったが、弟のリチャードは司祭になりたいと逃げ出してしまった。昔から海が大好きだったサリーは、家名を汚すまいと、男装して海軍に入ることを決意する。港で出迎えてくれた士官のコルは、兄の友人で昔からの憧れの人。何度か会ったこともあったが、なんとかばれずに船に乗り込むことに成功した。サリーは持ち前の知識と度胸で船上での役割をこなし、コルは、やせっぽっちで使い物にならないだろうと思っていたリチャード(サリー)の働きに感心する。コルへの恋を、責任感で抑えようとするサリー。そして、男性だと思っているのになぜかリチャード(サリー)に惹かれてしまい、あせるコル。そんな時、サリーの歌声を耳にしたコルは…。RITA賞をはじめ、数々のノネミートに輝く実力派作家、日本初登場!
ディ・バラ家の末息子ニコラスは、あてのない旅の途中、ひょんなことから行方知れずの兄を捜すエメリーという少年に出会った。まだ若く心細そうなエメリーに力を貸してほしいと頼まれ、誇り高き騎士であるニコラスは、ともに旅をすることにする。ところが繊細な顔立ちのエメリーをつい目で追ってしまい、自分の感情に戸惑っていたある日、驚愕の事実が明らかになる。エメリーは少年ではなく、男装した美しい娘だったのだ。厳罰を覚悟して怯える彼女に、ニコラスは思わず唇を重ねて言った。「きみが女性だったのが、とてもうれしい」しかし、すぐに彼は自戒したーエメリーと親密になってはいけないと。ディ・バラ家の物語、最終話。ヒーローは今や立派な騎士に成長した七男ニコラス。
公爵の嫡子として生まれたものの、母親の保身のために女であることを隠して爵位を継いだエリーアスは、秘密がバレないようにひっそりと暮らしていた。しかし皇妃が懐妊したため、護衛役として公の場に引きずり出されてしまう。さらには見舞いにやってきた皇妃の兄、モダーヴ王国の王太子をスパイしろと命令される。だが王太子に女だとバレてしまったエリーアスは!?
アリシアの初恋の人。それは昔出会った王宮騎士と思しき青年だ。再会を夢みてきたが、王太子レオナルドの求婚で望みは絶たれてしまう。最後にひと目だけでも。男装して潜入した王宮で『彼』を探していると、レオナルドに見つかり?淫らな責め苦で秘めた想いを暴かれるアリシア。けど意外な申し出が。-あなたの想い人を探させてやる。ただし夜は閨で『花嫁教育』を受けること。有無を言わせぬ雰囲気に圧倒され、それを受け入れるが、レオナルドの思惑とは…!?
かた苦しいドレスが嫌いで、男装で気ままに暮らしてきた村の地主の娘クリスティーナも結婚をしなければいけない年頃になり、両親から口うるさく叱られるようになった。そんな折、王子の結婚相手を探す舞踏会が国中の娘を集めて開かれるという知らせがくる。父親に無理やり連れて行かれたクリスティーナだったが、ガツガツとごちそうを頬張っているところに現れたのは美貌の王子さまで…。
アシュリーは女だけど男装して伯爵家に仕える召使い。お世話するシルヴァン様はスキンシップ大好き。気さくに抱きしめられたり、髪を撫でられたり毎日がドキドキの連続。男装がばれそうになった時「女なのは前から知ってた」と甘く唇を奪われ…。男装を一枚ずつ脱がされ高鳴る鼓動。胸いっぱいで純潔を捧げー。「可愛い人、一生大切にするよ」と告げられ、寵愛の歓びは最高潮に!
何て素敵な人なの…。精悍な美貌、甘い香油の匂い、耳を蕩かす声。弟になりすました翠伶が、煌びやかな御殿で出会った美青年・颯瑛。運命的な出会いに胸がときめくけれど、告白できないもどかしさ。そんなある日、男装がばれてしまう!絶望する翠伶に「君が女だったなんて最高だ」と秘密を守ってくれた颯瑛。恋人同士として蜜月を過ごしていたら、彼がとんでもない真実を…。
弟になりすまし王城に留学したアンジェラ。滞在早々、オレ様王子ウィルに女と見抜かれ、身体検査を!「締めつけないでと胸が訴えてるぞ。ほら、ここだ」荒々しい指先で男装をほどかれ、敏感な乳首を転がされてー。男姿のまま捧げた純潔、浴室の触れ合い、二人きりの遠出。胸ときめく日々に、どんどんウィルへの想いが膨らみ、彼もアンジェラなしではいられないと告げて…。
『リボンの騎士』から『ベルサイユのばら』…『少女革命ウテナ』まで。ヒロインをキー・コンセプトにした画期的なジェンダー論の試み。“男装の少女”を切り口にした卓抜な現代少女マンガ論。第3回女性史学賞受賞作。ゼロ年代の『桜蘭高校ホスト部』と『放課後保健室』を増補。