サリーは冷酷な資算家である父親の庇護の元から独立し、今は博物館研究員として働いている。介護施設へ入所している母親を見舞いながらの生活は決して楽ではなかったが、妻にはまったく無関心な父親の代わりを務められるのはサリー以外になかった。ある日、サリーは父親のオフィスで買収王と呼ばれる豪腕な実業家ザック・デルッカに出くわした。まるで獲物を狙う猛獣のような目でこちらを見る彼に、サリーは嫌悪感を覚えた。いったい私をなんだと思っているの?だが、数日のうちに答えは明白になったー彼女の最も望まない形で。多くの読者から支持されている実力派作家、一年ぶりの新作。どんな困難も健気に切り抜けてきたサリーでしたが、ザックの脅迫的な誘惑はあまりにも強力で…。
熱帯の小さな島で教師をしているハニは、ある晩、村の祝宴の最中に持病の熱病に襲われた。木の根元で動けない彼女に声をかけたのはケルトと名乗る男性で、力強くハンサムなうえ、威厳さえ漂わせている。彼は動けないハニを抱きあげ、部屋まで送ってくれた。薬をのんで熱はおさまったものの、ハニは汗びっしょりになった。そしてそのまま眠りについたが、翌朝、目覚めて驚く。ケルトは汗ばんだ服を着替えさせてくれていたのだ。素肌を見られたーでも、もう二度と会うこともない。そう思って、ハニは安心したが…。
「生まれ順」が人生を決める!長男長女は仕切りたがり屋、次男次女は気配り名人、末っ子はムードメーカー、一人っ子は自信家。6、7歳で決まる性格を読み解く。
パチンコは頭のゲームだ!パチンコ大好きタレントが、勝率アップの必勝法を公開。
豪華な絨毯を踏みしめた瞬間、ブリアナは吐き気に襲われた。周囲の誰からも秘密を見透かされているようで、全身の神経がきりきりと痛む。ブリアナは大きく深呼吸し、そっとお腹に手を当てた。いとこの代わりに舞踏会に来るなんて、間違っていた。突然、目の前に漆黒のタキシードに身を包んだ男が現れ、緊張したブリアナはバッグを落としてしまった。「ジョセフ・カスティーリョといいます」男はブリアナの手をとり、唇を押し当てると、熱い視線を注いだ。華やかに着飾った女性たちが遠まきに二人を見つめている。まるでブリアナの知らない暗黙のとりきめがあり、むやみに彼に近づくことはとんでもない無礼とされているようだった。
誰かが困っていると必ず助けてくれる人がいるタイ王国とミャンマー。日本人と彼等の違いを見事なまでに日常生活の中で描いた珠玉の記録文学。
「きみは昔ぼくを愛したし、今後も愛し続ける」見知らぬ男の言葉に、彼女は唖然とした。アニーは十一歳で最愛の父を失い、幸せな少女時代に別れを告げた。一年もしないうちに母が再婚したうえ、継父になじむことができず、家族の中で孤立してしまったのだ。十七歳のとき、スカウトされたのを機に、アニーは家を出た。そして八年、彼女は今や人気上昇中の歌手となっていた。ところが、ある夜、不気味な電話がかかってくるようになって以来、アニーは不安に脅かされ、そしてそれはついに現実となった。初めてのヨーロッパ・ツアーのためにフランスを訪れたところ、見知らぬ男に空港から拉致されたのだ。アニーは人里離れた場所にある屋敷に閉じこめられた。彼女は恐怖に駆られながらも、ハンサムな男に胸の高鳴りを覚える。すると、その男はマルクと名乗り、アニーに途方もない話を告げた。
ベッキーは誤ってプールに落ち、気を失いかけた。やがて目を開けると、視界に入ってきたのはハンサムな男性。「大丈夫かい?」恋人に囁きかけるような親しげな声だ。彼と会話を交わすうち、ベッキーは相手がとんでもない勘違いをしていることに気づいた。彼は、私を双子の姉だと思っているんだわ。地味で引っ込み思案の私とは、正反対の姉と。ニューヨークの姉に一部始終を話して聞かせたベッキーは、姉のとんでもない頼みに唖然とした。ロサンゼルスに行くまで、身代わりを務めてほしいというのだ。セクシーな身のこなしに、大胆な服装…。心優しいベッキーは、役に立とうと懸命の努力を始める。
スティーヴ・コンランなんていう男性になど会うものですか。離婚後、娘を一人で育ててきたメグは憤慨していた。娘がメグの名で勝手に恋人募集の広告を出し、連絡してきた相手と会う約束を取りつけてしまったというのだ。だが一時間後、黒のメクシーなドレスに身を包み、メグは約束の高級レストランの前に立っていた。スティーヴもまた妹の策略で見ず知らずの女性と食事をする羽目になっていた。ともに自らの意志からではないデートに重い気分だったのに、食事が終わる頃、互いのフィーリングがぴったりなのを認めていた。帰りの車の中、メグはひそかに思った。私は彼のことを忘れられそうにない…。
メグはわがままな義理の姉マーゴットに無理強いされ、不承不承南フランスへやってきた。恋に夢中でイギリスを離れる気になれないマーゴットの代わりに、彼女の名づけ親マダム・ブリッソのお相手役を務めるためだ。館へ向かう山道で土砂降りの雨にあい、メグは車を道端にとめた。その時突然黒いマントの男が現れ、メグの車のドアをあけてどなった。「ここは危険だ。すぐに車を移動させろ!」不運にもメグの車は故障したのか、エンジンがかからない。メグがためらいながらも見知らぬ男の車に乗り移ったとたん、二人の後ろで崖崩れが起き、彼女の車は下敷きになってつぶれた。ああ、なんてこと!旅の初日がこんなでは先が思いやられるわ。
三年前、恋人に傷つけられて以来、ジェイドは男性を遠ざけてきた。たとえ、近所に住む最高にハンサムでセクシーなカイルがどんなにデートに誘ってきても、ジェイドは断り続けた。その代わり、日記の中で空想の恋人を作って、大胆な夢や心の奥底にある欲望を赤裸々につづっていた。空想の恋人は、ジェイドの秘密の夢をかなえてくれる。決して彼女を裏切ったり、悲しませたりしない。ところが、ある日カイルの言葉にジェイドは動揺した。「今夜、月明かりの下で一緒に泳がないか?」それは夢の恋人が語る誘惑のせりふだった。
一七七九年大西洋の海上では、民間の戦闘用帆船が行き来していた。ニック・スパーホーク所有のリバティー号もその例にもれず、敵と見れば攻撃を仕掛けて、金品、人員のみならず、船までも強奪する民有武装船だ。アメリカ政府公認の“海賊”としてブラック・ニックと呼ばれ、恐れられた彼は、その日敵船の砲撃を受けて絶体絶命の危機を迎えていた。リバティー号とともに海に沈むかと思ったそのとき、なんと、若い美女の姿をした天使に命を助けられた。一年半前に風邪をこじらせて死に、天使になったというリリーは、妹のローズを政略結婚から救ってほしいとニックに訴える。豪放で享楽的、非情で傲慢な伊達男ニックに、そんな小娘ひとりにかかずらう暇はない。つきまとって離れない天使リリーをあきらめさせるために、それならいっそローズを誘惑し、傷つけようかと思ったのだが…。
ジュリーは国際線のスチュワーデス。東京からフライトを終えてホノルル空港へ降り立ったところで、いきなり逮捕された。国家機密をおさめたコンピューター・ディスクを盗んだ容疑だという。まるで身に覚えのない疑いに、ジュリーはショックを受け、怒りにかられる。そんなジュリーの窮状を救ったのは、機内で知りあった弁護士のグレッグだった。彼の尽力で釈放されたものの、ジュリーの身辺にはただならぬ気配が漂い始めた。誰かが私の部屋を覗いている!浜辺で銃を突きつけて脅そうとした男は何を言おうとしたのか?私の部屋が無残に荒らされたのは?そして、ディスクを返せという脅迫電話…。何か恐ろしいことが起こっているージュリーは恐怖にかられた。そこへ、彼女の名前をかたったという告白の電話。しかも、心を寄せ、信じていたグレッグが諜報員だったとは。国際的な陰謀に巻き込まれ、危険と苦脳のただ中でジュリーは…。