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語源のことを語る

琉球語は、江戸時代の日本では、中国語の一種ではないかとさえ考えられていた。琉球語と日本語に系統的関係があることは、今日では様々な角度から論証され、常識にもなっている。その時間的距離は1700年ほどであると計算されている。この距離は、「英語とドイツ語」や「フランス語とスペイン語」の間と比較できる程度である。

韓国語は、なぜだかやたらと日本語に近いと思っている人がいるが、その関係は明らかではない。モリス・スワデシュが提唱した言語年代学を日本に導入した服部四郎氏はいう。日本語と朝鮮語に系統的関係があるとしても、その時間的距離はおよそ7000年ほどで、どんなに近く出るように見積もっても4000年より近いということはない。

アイヌ語は孤立した言語だと見る向きもあるが、他の言語との関係の不明さという点では日本語や韓国語も引けを取らない。言語年代学を改良した語彙統計学や計量比較言語学の手法によって日本語と他の言語の関係を研究した安本美典氏は、この三言語は共通の祖語からおよそ7000年まえ前後に分かれたと考えている。また服部氏はいう。アイヌ語は、基礎語彙において日本語・韓国語と類似を示し、文法構造も系統的関係がないと断定できるほどは違わない。

日本語や韓国語、アイヌ語は、それほど古い言語資料がないため、その系統的関係を細かく証明することは難しい。借用関係については、歴史的状況から明らかにできる場合はある。

日本の意味がよく分からない古語や古い地名について考える場合、韓国語を参考にするなら、アイヌ語にも大略同じくらいの蓋然性を認めなければならなだろう。