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今日のお酒のことを語る

仕事から帰ってきたら真っ先に冷凍庫から氷を取り出し、お気に入りのタンブラーグラスに投入。
鼻歌交じりに手際よくキャップを廻し、トクトクと琥珀色の液体を大瓶から注ぎ込み、少量の水で割って完成。
「これは命の水だからな」なんていつも同じ冗談を言いながら、それは旨そうに飲んでいた父。
そんな毎日の、かつては当たり前だった光景をふっと思い出す。
自分にとって、ウィスキーは格好いい大人の、父の象徴だった。

それがどんな銘柄だったかは覚えていない。
いつかそれを酌み交わしたいと思った父も、もういない。
だからやっぱり、大人になったはずの自分にとっても、ウィスキーは旨くて、少しほろ苦い。