2011年9月18日、第15回レインボーマーチ札幌は、雨粒の霧と舞い散るなか決行された。天気は弱い雨が降るという予報の通りであり、アメダスの記録によれば12時の気温は16.5度だった。テレビ塔が雨よけになるため、せまい会場に人が詰まっていた。13時頃には雨はより弱くなっていた。いつもより多めに用意されたらしい風船が、例によって紐が絡まって鋏が要請されたり、いくつかの房が早くもちらほらと空に舞い上がる。北海道新聞の腕章を付けた記者や、記念の一枚を求める人たちがカメラを構える中、パレードは雨を押し分けて予定通りに繰り出した。
雨の下とあれば湿やかな雰囲気になるかと思えば、始まってみればいつにも増して朗らかな行進だった。スピーカーを構えた先導車や、ドラァグクイーンたちを戴いた山車などは昨年と変わらなかった。あるいは扮装し、あるいは普段着、着ぐるみ、車椅子、独り行く人、数人組、親子連れなど、人柄の様々であることもいつもどおり。沿道組や、列を出入りする人はいつもよりやや多い。
傘も邪魔になるばかりでもない。旗の虹色が濡れた路面に映える。鼻から尾まで賑やかで、人数は去年よりかなり多いように見えた。
13時50分頃に大通公園一丁目に戻った。
テレビ塔下の会場では、今回協賛企業に名を連ねた Google がタオルとバッジを配っていた。タオルとは古典的な粗品だが、雨のために効果的な景品となった。
会場はやはり狭いと思うが、今回はテレビ塔が屋根になって雨を防いでくれたのは奇貨だった。プライド集会は14時35分頃に始まった。登録した参加者の人数は821人と発表。上田文雄札幌市長は公務のため来場できず、市の人が遣わされてその伝言を読み上げる。東京都中野区の石坂わたる議員、札幌市の坂本恭子議員が登壇。参加者表彰、参加団体挨拶、エイサーの演舞などが、今年も緑区カナコさんとパルプさんの司会により楽しく進行された。
最後に記念撮影を行い、16時5分頃に解散となった。
気温は15度を下回っていた。雨に濡れたこともあり、少し冷える。しかし雨ながら、日が射すのも待たずに虹を架け、そして雨水によって濃く染み出された虹色はとてもきれいだった。