オリンピックが開催されているこの夏、成績や待遇などの面におけるスポーツのジェンダー平等性について話題になっている。成績の面では、ほとんど男子のほうが女子より良い記録を出しているし、最高記録では今後も女子は男子を追い抜けないとみられている。しかし、果たして競技そのものがジェンダー・ニュートラルであるか?
物の本によると、マラソン程度の距離では、筋肉に蓄えられたグリコーゲンが使われ、脂肪のエネルギーを使うには50キロ以上が必要だという。だとすると、42.195キロという設定が、男性優位を保証していると言えるのだろうか。跡見順子博士は曰う。一般に女性は体脂肪率がより高いため、エネルギー、体温維持、浮力の面で遠泳なら有利になるかもしれない(参考文献:『男のからだ・女のからだ―人体スペシャルレポート2 (ブルーバックス)』1988年)。競技としての遠泳は、2008年の北京オリンピックから「オープンウォータースイミング」の名称で10キロの野外競泳が採用された。8月9日に女子、10日に男子がハイドパークの湖で行われるという。
もし多くの種目が、男性のアスリートを「標準」として設計されているとすれば、それをどう見直していくのか。スポーツの平等化はまだ目鼻が付いていないと言ってよいだろうか。
- 東京新聞:サウジ、初の女性五輪選手を中傷 父親が提訴も:スポーツ(TOKYO Web)
- アングル:五輪記録で分析、スポーツの男女差はなくなるか | 世界のこぼれ話 | Reuters
- オリンピックの「性別検査」で、DNA方式に代わり「テストステロン値判定方式」が採用される | スラッシュドット・ジャパン サイエンス
- NEWSポストセブン|五輪スポーツ性差別 柔道では嘉納治五郎が女子の試合を禁止
刊刻:2012-08-06T21:03JST
分類:一面
執筆:Kodakana