Android アプリの開発に手を付けて、動作確認のために 4.0(ICS)以降の端末が欲しくなったので、その中で悪くなさそうな方で出来るだけ安いの、ってことで9月末に Sony Ericsson(現 Sony Mobile)の Xperia mini ST15i を手に入れた。で、画面が小さい割りには意外と文字入力もイケる感じではあるんだが、小ささ故の絶対的な限界もあるわけで、外付けのキーボードなんかどんなもんかな、なんて思っていたところ、ELECOM の TK-GMFBP029BK ちう Bluetooth 接続のミニキーボードが、メーカー直販のアウトレットで税込588円という大安売りされていたので、とりあえず買ってみたのだった。

Xperia mini と Bluetooth HID

ところでそもそも Xperia mini に Bluetooth HID デバイスは接続できるのか、ってことについては、Sony Mobile のサポートフォーラムを検索してみると、一件のやり取りがあった。そこではユーザーからのオイラの Xperia mini に Bt キーボードをつないでみたんだけどうまく動かないよ、という質問に、Sony からこの機種で Bt キーボードが使えるかは確実じゃないので、USB OTG の方をおすすめするよ、と答えていた(英語だけど多分そんな感じ)。ということで、使えないこともないらしい。


Xperia mini と TK-GMFBP029BK の実際

実際にやってみるとこのキーボードは Xperia mini に接続して文字入力できる。ペアリングの手順は説明書の PlayStation 3 の例が近い。二回目以降の接続は、Xperia mini の Bluetooth が有効ならミニキーボードの電源を入れるだけで見つけてくれる。物理的には蓋が付いていて、適当な角度まで開くので、ここに端末を立てかけるようにして設置できる。ただ傾けると端末が滑るので、状況によってはストラップに手を通すなど注意が要る。

さて実際にどう機能するかだが、キーマップが適合しないため一部の記号が表記通りに入力できない。Jelly Bean ではユーザーによるキーマップの選択が不可能ではない様になるとか聞いた気がするので、そのうちどうにかなるのだろう(Google 日本語入力なら独自にキーマップを持っているので、ICS でも表記通りの入力が可能だ)。日本語を入力したいとき、テキストフィールドにフォーカスをあてるだけでは IME が有効にならない場合は、指でそこを一回タップする必要がある。

Android 特有のキーは Esc がバック、Ctrl+Esc がメニュー、Alt+Esc がホーム、Alt+Space が検索キーと同じに機能する様だ(ただし状況かアプリによってはこれらのキーが効かない場合があるみたい(?)。その場合は本体のキーを押す必要あり)。Alt+Esc は長押しもホームキーと同様にタスク一覧が出る。Alt+Tab は最近起動したアプリ一覧が出てきて、PC でのウィンドウ切り替えの様に操作できる。Tab キーだけを押すと画面上のボタンなどの構成部品の間でフォーカスを移動できる。

キーボード内蔵の Android 端末ではキーボードからアプリを呼び出す「クイック起動」が使えるが、このキーボードでも Super(Win)キーと文字キーの同時押しで同様の機能が働く。ただし設定を変更することが出来ない様だ。標準で割り当てられているキーとアプリを以下に記す。

E
GMail
P
ミュージック
A
電卓
B
ブラウザ
M
マップ

TK-GMFBP029BK というキーボード

ぱっと見の印象は Sharp の SH-10B などに似ている様だが、実際には配列、感触、形状などあらゆる面で違っている。キーボードの評価はほとんど好みの問題にしかならないことを前提として言うと、SH-10B の方が配列に無理がなく、押した時の感触も上質であるのに対し、TK-GMFBP029BK の方はキータッチが軽く、ストロークは親指で打つものとしてはやや深すぎだが、全体的な持ちやすさは勝る。本体が離れていることや、Android 向けではないことによる操作性の難点は抜きにすると、こちらの方が少しだけ打ちやすいかもしれない。

なお、説明書には書いていない様な気がするが、しばらく操作しないと待機状態になって接続が切れるらしいので、電源オンのまま放置してもそんなに電池が減ることはないみたい。