カミクズヒロイと pulpdust.org について

カミクズヒロイは Kodakana が個人で運営しているウェブサイトです。2005年11月9日から2007年6月24日まで http://d.hatena.ne.jp/Kodakana/ で、25日からはここ http://pulpdust.org/ に移転して運営を続けています。

カミクズヒロイの内容について

性に関する情報を集めています。ウェブ上にあふれる様々な情報の中から、人間と性に関連づけられたあれこれに関する記事、特に新聞サイトの記事を収集・紹介することが主な内容になっています。対象領域はジェンダー・セクシャリティ、性自認・性同一性、性的指向を含みますが、これに限定されません。ネタがある限りほぼ毎日更新でお送りしています。ほかに、これらに関する大きな催しがあるときはそれに関するブログ記事へのリンク集を作ったり、ちょっとした批評や全然関係ない話が載ることもあります。

カミクズヒロイの設立趣意および目的

私の認識が確かなら、社会は常に動的であり、特に近世から近代への変動は大きなものでした。かつて身分や地域によって小分けにされていた社会の堰堤は、近代国家の許に決壊し、割子の中の人性は大構造に収用され、未成熟の民主制度と結びついて多数派主義の性別系列社会を構成します。女性は男性に私有されることによって社会的存在としては分断され、社会的男性は女性を結束の種に利用し、社会的期待に応えることを善とする人々は、そうした社会性が、人が本来持っている豊かな個体差を抑圧しようことを忘れようとしました。

社会的に弱い立場に置かれた人々は、それぞれの局面で、声を上げ、旗を掲げて、不当を指摘し、人権の全かるべきことを忘れさせないように努めてきました。法律も変わり、差別は減ったように見え、人によっては差別は無くなったと云います。しかし、多数派主義、性別系列の骨格は温存されて、構造への皮相的な加工によって摩擦を起こし、行き遅れた保守主義が反動を起こします。故無き差別、嫌悪、隔壁を作りやすい社会的構造への取り組みは未だ不徹底です。

こうした状況の中、おのおのの局面で、問題の解決に向けた活動が引き続き行われ、インターネット普及後には情報発信も盛んになりました。しかし、各組織や個人が別々にウェブサイトを持っているだけで、個別の繋がりはできても情報が集まるところがなく、大手のブログサービスも一つのブログに一人が投稿するという形がほとんどであるため却って個々が隔離されているとも言える状況です。情報を探す人は各人が情報収集を工夫しなければならないため、アンテナやフィードリーダなど便利な道具が揃ってきたとはいえネットワーク全体で見ると無駄が多く、必要な情報を見つけられない可能性も高いと言えます。

ウェブには、いくつかの分野で、個人あるいはそれに近い集団で運営する情報共有サイトがあります。カミクズヒロイは世の中の性、または性に関連づけられた事柄を中心に扱う情報共有サイトです。形態としては PalmFan や MOBILE DAILY NEWS、memn0ck、セキュリティホール memo などに範をとり、対象領域の情報を追いかけ、リンクを集め、ときに一言付け加えて紹介してきました。これによって、ともするとすぐに紙屑同然に忘れ去られてしまうこれらの記事に一定の価値を付与し、それと同時にこれらの事柄が共通して接している一つの問題、多数派主義の同性社会という問題を浮き彫りにし、なおかつそれに人々の目を向けさせることがカミクズヒロイの目的の一つです。

2007年6月25日、カミクズヒロイは活動の動機と情報共有機能を向上させることを企図し、新しいドメイン pulpdust.org に移転しました。新しいサイトの構築に当たっては、スラッシュドットジャパンや pocketgames などを参考にし、マルチブログ・マルチユーザシステムを導入しました。この変化がカミクズヒロイにとって滋養となり、より多くの人々にとってより有益な果実となれば幸いです。この事業は世間の投機的なるものと異なり、人類の一般利益に資することを望むものです。また、この趣旨を諒とされる皆様との協働がかなうことを願っています。