一九二三年に完成した帝国ホテル二代目本館、通称「ライト館」。“世界一美しいホテル”として絶賛された名建築だが、完成までの道のりは、想像を絶するものだったー。二十世紀を代表する米国人建築家、フランク・ロイド・ライトによる飽くなきこだわり、現場との対立、難航する作業、襲い来る天災…。次々と困難が立ちはだかったが、男たちは諦めなかった。ライト館の建築に懸けた者たちの熱い闘いを描いた、著者渾身の長編小説。
人はなぜ、相争うのか。争いの果てに救いはあるのか。キリシタン大名・小西行長の孫で、対馬藩主・宗義智の子として生まれた彦七(のちの小西マンショ)の運命は、関ヶ原の戦さによって大きく変わった。離縁された母・マリヤとともに長崎へ移り、キリシタンへの迫害から逃れてきた小西家の遺臣らの世話になりながら成長していく彦七だったが、彼には小西家再興の重圧がのしかかっていく。キリスト教が禁じられ、信徒たちの不安が高まるなか、彦七はある重大な決断を下すのだが…。“受難の時代”を生きる者たちの魂の叫びが刻まれた、著者渾身の長編小説。
ねずみがたびをしていたよ。あめにふられて、ずぶぬれになってしまった。「これがほんとのぬれねずみだよ」ゴロゴロゴロ…かみなりもなりだした。4〜5歳から。
徒手空拳から一代で松下電器を世界的企業に成長させた松下幸之助。本書は、松下の晩年の22年間、その傍らにあって直接に、経営について、人生や人間観について教えを乞い、時に共に思索をしてきた著者が、なぜ松下が成功を収めることができたのか、その行き方・考え方のエッセンスを6つの法則としてまとめた成功への指南書である。多くの読者の支持を得たロングセラー、待望の文庫化。
「考える」ことを考える哲学絵本。
生命保険業界で、トップセールスマンとして成功したマーク・クリストファーは、ある日、輝かしいキャリアを捨て、作家になることを志す。息子たちの成長に突然気づき、家族を顧みなかった人生に疑問を感じたからだ。熾烈な競争世界から離れ、家族と満ち足りた時間を過ごしつつ執筆を続ける。やがて、本は大ベストセラーとなるが…。人間が持つ「選択」の力の素晴らしさを描いた感動作。
我々の「歩き方・走り方」は誰が決めたのだろうか。ふと考えてみれば「身体の常識」など脆いものではないだろうか。本書は、古伝の術理を追究する著者が、歴史の中で忘れ去られた真の日本人の身体論を絶妙に語る。「江戸時代の庶民は走り方を知らなかった?」「達人伝説は本当か?」など、固定観念を次々と覆す話題の数々。野球、サッカーなど各スポーツ界の選手・指導者たちの注目を集める独特の「身体論」の原点。
マネジャーの最も重要な仕事は意思決定である。変化の激しい現代においては、マネジャーの意思決定が、企業や組織の将来を大きく左右することさえある。しかし、意思決定に「絶対の正解」はない。それゆえにこそ、全身全霊を込めた意思決定は、自らの精神を鍛え、深め、成長させる糧でもある。本書は、意思決定に必要な能力と、それを身につけるための心得を説いたマネジャー必読の書である。
「西欧近代とは何か?」だれもが疑わなかった理想社会に齟齬が生じはじめた。その現実を前に、再認識を余儀なくされている「近代」の意味。自由、平等、民主主義、市場経済…アメリカが掲げる輝かしい「文明」は、同時に形式的な官僚主義、空虚なニヒリズムを生み出した。信ずべき確かな価値を見失い、茫然自失する私たち。人類が獲得した果実ははたして「進歩」だったのか。ホッブズ、ルソー、ウェーバーなど、近代を決定づけた西欧思想を問いなおし、現代文明の本質と危うさに真っ向から迫る新しい文明史観。
「キュービックス」「スコットランドヤード」「ジルケ人形」…子どもにも大人にも喜ばれてきた物にはわけがある。本書は、溢れるおもちゃの中から、とくに「定番」という視点にこだわって、著者が選んだおもちゃを紹介したものである。
主婦マンガ家として活躍中に版元が倒産、収入ゼロになった著者。頼りの夫は転職ホヤホヤ、初任給は8万円!!家計は一気に大火災。親子5人の大ピンチに、ママが立ち上がった!朝・出勤前のポスティング、10年ぶりの通勤、ガス・電気・水道代や食費の徹底改革、家事分担バトル、株で買った夢と希望、節約家族の夏旅行…怒涛の行動力とアイデアで乗り切った、ビンボー生活大公開。
「国のかたち」とはいかにして見直されるべきか。建国二百年で、辺境の小国から超大国となったアメリカ。その国柄を表す最高法規・合衆国憲法は、自主独立の精神を今なお堅持している。だが、その運用をめぐっては様々な論議の連続であった。連邦と州での権限争い、奴隷制度をめぐる南北の対立、二度の世界大戦や冷戦下での言論の自由…。国のあり方そのものを揺るがす時代の要請に対し、憲法はいかに解釈・修正されてきたのか。ロイヤーであり、駐米公使も務める著者が、憲法を通じて合衆国の歴史を物語る。
お客にとっては、売り込みは迷惑なだけ!ダメな広告は何回やってもダメ!マーケティングの常識はウソだらけなのだ。じゃあどうすればいい?なんて聞いたって本当の秘密は誰も教えてくれない…。本書ではカリスマ・マーケッターが、自らの成功体験から構築したノウハウを惜しみなく公開!数多くの億万長者を生み出した伝説の処女作、待望の文庫化。
「退け!逃げよ。彼奴は人でなし。鬼じゃ!」-瞬く間に7人を斬り捨て、北条軍2万を潰走せしめた常陸の戦国大名、佐竹義重。「鬼佐竹」「板東太郎」と諸国に怖れられ、伊達政宗さえも討ち取る寸前にまで追い込んだ。長年「半国守護」の屈辱を味わってきた佐竹氏だが、義重の登場で常陸統一を果たし絶頂期を迎える。守護職の誇りをかけて、乱世を戦い抜いた男の生涯を描く。
豊臣秀吉が自分の家臣にすることを熱望し、晩年の徳川家康がもっとも信頼した男、藤堂高虎。近江の一豪族であった彼が、浅井長政をはじめ、羽柴秀長、秀吉、家康と次々に主を変えながらも、伊賀・伊勢の太守にまで上りつめることができたのは何故か。戦さ働きはもちろん、城づくり、水軍の指揮、情報収集等、あらゆる能力を身につけて戦国を生き抜いた男の、真実の姿に迫る長編力作。
精神的な問題を抱えた子どもたちが増えている。わが子の異変に人知れず悩みを抱えている親たちも多い。だが、専門家に相談するにしても、精神科は気軽に訪れるにはまだ抵抗がある。児童や思春期・青年期という難しい年代の子どもたちの心に、いったい何が起きているのか?発達障害、過食症、PTSD、躁うつ病、統合失調症、ひきこもり、家庭内暴力ー本書は、家庭で子どもから大人に育つプロセスを追いながら、児童期・青年期の臨床精神医学のエッセンスを細大漏らさず収録した心の航海図である。