血友病患者のHIV感染は、まごうことなく人為的な罹患である。新たに「発見」された資料は、1983年当時、すでに厚生省が非加熱製剤の危険性を認識していたことを証明した。だが、加熱製剤導入は圧殺された。導入見送りを決定した「空白の一週間」に何が起こったのか。最新情報と膨大の資料の分析、そして患者とその家族の悲しみと憤りが、厚生省と医薬界の「犯罪」を告発する。
今、人類の前に立ちはだかった新しい危機エイズ。エイズ患者がかかえている問題点や苦悩をマンガとおはなしでレポートする。
厚生省のエイズサーベイランス委員会は2カ月ごとにエイズの現状を報告しているが、それによると、日本の若年層のHIV感染が依然として増加の道をたどっている。根治薬が出現していない今日、感染しても発病の期間が延びつつあるとはいうものの、これから生産活動旺盛という時期に発病する現実をどう考えればいいのだろうか?本書は若者を前提として、彼らに次のことを話しかけている。それは、HIV感染の4人の若者のインタビューを通じて、彼らのひとりひとりの人生観がどう変化したか、そして何を伝えようとしているのかを。
暴走族の特攻隊長の憲一は、美華に出会い、殺伐としたそれまでの生活を捨てる。温かい家庭を築いた二人に、しかし運命は残酷な未来を用意していた。血友病の憲一が使う血液製剤に潜む、エイズウイルス…。無責任な厚生省や医師、利益だけを追求する製薬企業は、二人のささやかな幸福を無残に踏みにじり、ついにエイズウイルスは美華の体さえもむしばんでゆく…。
免疫とはどのようなものか。レトロウイルスとは。HIVによる免疫破壊のメカニズムを平易に説き、感染治療の原理と可能性を探る。また、日本の薬害エイズをも視野に入れ、「エイズ」を通じて知る命のサイエンス。
日々の出来事から四季折々の話題までを心のキャンバスに描き出す名コラム。大学受験や就職試験に頻出。社会人の実力養成にも最適。1995年10-12月分収録。和英対照。
エイズから脳死・臓器移植、仏教・新興宗教、差別、進化論、時間論にいたるまで科学と社会をめぐる難題を明快に裁断。
HIV期からエイズ期まで。日和見感染をどう防ぐか。病診連携をどうするか。一般臨床家の診療てびき。
超(スーパー)システムとしての生命。自己とは、生命とは、生命活動としての文化とは。新らしい生命観を求めて、免疫、自己、老化、脳死と臓器移植、ウイルス、エイズなど、生命科学と文化の接点を縦横に語り合った、待望の対談集。