本は読んでいなくてもコメントできる。いや、むしろ読んでいないほうがいいくらいだー大胆不敵なテーゼをひっさげて、フランス文壇の鬼才が放つ世界的ベストセラー。ヴァレリー、エーコ、漱石など、古今東西の名作から読書をめぐるシーンをとりあげ、知識人たちがいかに鮮やかに「読んだふり」をやってのけたかを例証。テクストの細部にひきずられて自分を見失うことなく、その書物の位置づけを大づかみに捉える力こそ、「教養」の正体なのだ。そのコツさえ押さえれば、とっさのコメントも、レポートや小論文も、もう怖くない!すべての読書家必携の快著。
30年前の中国、当時の貴重な写真・図版・文字資料約1000件を収録。
可愛がっている孫に、賭場で借金を作り取り立てられていると泣きつかれた呉服屋の隠居が、二十両を用立てたという。自身も孫ができた弥平次はそれが騙りではないかと疑い、さらに調べると、近ごろ金持ちの年寄り相手に騙りを働く坊主がいるという。卑劣な騙り屋を久蔵たちは追い詰められるのか!?快調な新シリーズ第2弾。
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。
書の最高傑作「蘭亭序」の学習が、書道上達の早道です。初心の方にもやさしいレッスンで、やわらかな筆遣いが体得できます。周りと差がつく行書の入門書です。
日本人の食生活に欠かせない、良質なたんぱく質のもととなる大豆。しかし、その自給率はわずか7パーセント。「大切な幼い命を守るにはまず、この国の大豆を再興することから」という信念のもと、料理家・辰巳芳子は2004年に「大豆100粒運動」を始めました。幼い子どもにも「まほうのおまめ」、大豆のことを楽しく知ってほしい。そんな願いからこの絵本は作られました。さあ、大豆といっしょに旅に出てみませんか?
刺青の彫師が集まる台北の紋身街。食堂の息子・景健武は、彫師のケニーやニン姐さん、珍珠〓茶(タピオカミルクティー)屋の阿華など、一癖も二癖もある大人たちに囲まれ、街での暮らしを楽しんでいた。ある日、顔に刺青を入れたいとニン姐さんに依頼した女が現れて…(「黒い白猫」)。熱気溢れる雑多な街の人間模様を描く傑作連作集。
「死の商人」「戦争屋」と世間に罵られながらも、一代で財閥を築き上げた男がいたー新潟から江戸に出て、乾物屋を営んでいた大倉喜八郎は、幕末の不穏な空気をいち早く感じとり、鉄砲商へと転身する。コネもカネもない喜八郎は、どんな仕事も体当たりでこなしていくが…。戦前、排日運動が高まる中にあっても、蒋介石、張作霖、段祺瑞ら中国の要人からその死を悼まれた男の生涯を描いた、感動の長編小説。
前任者の遺したファイルから明かされる菖蒲家の遠大な計画。秘術アヤメメソッドをめぐって暗躍する各国諜報機関。米大統領オバマの新都・神町訪問が迫る。ラリーと作家はスーツケース爆弾を追い、息子はママを恋しがる。彼らは世界を救えるか?『シンセミア』『ピストルズ』からつづく神町トリロジーここに完結。
明治24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂、大津事件に関わった愛国者たちー。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にある人間を見つめた表題作ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印し、平林たい子文学賞を受賞した、知られざる名作。