ここは、この異世界でただひとつのコーヒーが飲める場所。現代からやってきた元高校生ユウが切り盛りする喫茶店だ。迷宮街にまもなく冬がやってくる。歌姫の公演で沸いていた街も落ち着きを取り戻し、ユウの店も深夜営業から昼間の通常営業に戻ってきた。いつもの日常が帰ってきたのだ。季節のメニューを考えたり、手紙の返事を書くためにアイナに異世界文字を教えてもらったり、お客さんとのチェス勝負に乗ってみたりと、この世界に馴染みはじめたユウ。気がかりなのは、治療魔術師になるための勉強で忙しいリナリアとの距離…そんな中、貴族のお嬢様アイナに結婚話が持ち上がって?
北千住の“弓島珈琲”店主の僕(弓島大)は、近所の小学生の少女から、姉の行方を探してほしいと頼まれた。少女の両親には何かの事情があるのだろうか。僕の家に間借りする三栖刑事や他の常連客も解決に乗り出してくれることになった。だがその矢先、僕と三栖が関わった過去の事件が、五年ぶりに頭をもたげ、事態は錯綜していくことになるが…。
ありふれた飲物が人類に及ぼしてきた驚くべき影響の数々!エジプトのピラミッド、ギリシャ哲学、ローマ帝国、アメリカ独立、フランス革命ー。歴史に残る文化・大事件の影には、つねに“飲物”の存在があった!6つの飲料を主人公として描かれる、人と飲物の1万年史。17カ国語で翻訳版刊行世界的ベストセラー。
「かれんと付き合ってるって本当?」花村のおばさんからきかれ、とっさに否定してしまった勝利。誰も傷つけたくなくて、ふたりの関係を守りたくて、ずっと秘密にしてきた。それが間違いだったのか。勝利へ思いをよせる星野りつ子の存在も、かれんには言えなくて。後ろめたいから言えない。言えないからますます後ろめたい。秘密は増殖する。悩み多きシリーズ8弾。
オーストラリアから一時帰国した勝利。その前に現れたかれん。十か月ぶりに再会したふたりは、たがいに想いながら、ぎくしゃくしたやり取りしかできない。-私たち、もうダメなの?試練と波乱の恋の結末はどうなる?大人気シリーズ、堂々の最終巻!!
コーヒーの焙煎は名人上手の専売特許ではなく、職人的なカンの世界などでもない。理詰めの数学であり論理学の世界なのである。生豆の選定から抽出までの流れを一つのシステムとしてとらえ、各プロセス上に存在する複数の条件によって、さまざまな味が生み出されるメカニズムに着眼した「システム珈琲学」。
『リア王』や『オセロー』など名だたる戯曲をあまた書き残した天才の実像はどんなだったのでしょうか?田舎出の青年がどのように創作の技術を身につけ、どんな道のりをたどってロンドンの座付き作家になったのでしょう?私生活ではどのような家族や仲間たちに囲まれて生きたのでしょう?そして興りつつあった当時の劇場文化とは?さあ、彼自身に語ってもらいましょう。
かれん。…ああ、かれん。名前をはっきり思い浮かべるだけで、胸が焦がれて息が詰まる。逢いたかった。だけど、駄目だ、まだ逢えない。いや、違う、もう、逢えないー。いまだに悪夢にうなされる傷心の勝利の前に現れた金髪の美少女アレックス。無愛想で、ワガママで、最悪の第一印象だった。彼女の素晴らしい歌声を聞くまでは…。反目し合っていたふたりだが、やがて心をかよわせるようになる。