母系社会とは、本当に、女性にとって理想的な社会なのだろうか?20世紀初頭、世界最大の母系社会といわれる西スマトラのミナンカバウに生まれ、インドネシア初の女性ジャーナリストとして、女性の進歩と地位向上のために全力で闘ったロハナ。長年にわたる現地調査から、彼女の活動を通して、母系社会の実相に迫る。
本書は、日本、中国、西洋の美術史を対象とする一〇編の論文と、現代日本の写真を扱った一編の論文から構成されている。各論文をつなぐ共通点は、それらがすべてジェンダー論の観点から発想されているということである。
『美術とジェンダー』から8年。再び日本・東洋・西洋美術史研究者14名による大論集。
新しい美術史学。美術に刻印された性差を考える。日本・中国・西洋美術史研究者11名による一大論集。
家族経営、スキル格差、「やりがい」の戦略…。なぜ、彼女たちは「農村いきいき母さん」になったのか。現代の農村女性の実像に迫る。
本書は、一橋大学大学院社会学研究科において、二〇〇六年四月から三年間にわたって続けられた先端課題研究7「日常実践/方法としてのジェンダー」の成果である。ジェンダー関連の書籍は、現在、入門書から専門書まで大量に生み出されているが、著者たちが心がけてきたのは、女性学や男性学、ジェンダー研究のテリトリーに閉じるのではなく、社会科学のなかにジェンダー視点を導入し、定着させ、その融合的な研究視座から、日常空間で作動するジェンダーに関わる諸問題(労働、家族、身体/生命、アイデンティティ、権力、政治秩序、市民社会、公共性、国際関係など)を可視化し、いかに対象化し研究として立ち上げることができるのか、それを徹底して追究することであった。
物語論・言語行為論の視点を用いつつ、「花ごもり」から「われから」にいたる作品をとりあげ、女性への差別が日常的であった明治時代にあっておどろくほど現代的なジェンダー意識をそなえていた一葉文学の謎にせまる。
米国の宗教学者による水子供養の画期的論考、待望の邦訳。史料分析と現地調査により、大衆メディアの活用、徹底的な商業化、超宗派的な儀式の性格を多面的に描き、その根底にある女性差別、胎児中心主義的イデオロギーを暴き出す。
近代日本における「恋愛」と「ジェンダー」の関係を検証する。恋愛という観念の形成とともに、男女の間には、どのように新たな境界線が引かれていったのか。恋愛をめぐる男女の歴史的経験を描出する。