脳科学、生殖技術、性別越境、全球シミュレーション…。21世紀における生命科学とテクノロジーの進展は、われわれの生を徹底的に唯物化し、操作可能なものにした。守られるべき人間の規範を前提とする生命と技術の倫理だけでは、この新しい状況に対応できない。哲学、社会学、人類学の知見から、未来の地平における新しい人間のあり方を探る。
健康格差のメカニズムを探る教科書の決定版。
「広告はこう研究される」日本初のハンドブックここに誕生。
グローバル資本主義の「もう一つの主役」として登場してきた中国、ブラジル、ロシアなどの現状と課題を解明する。
男女ともにワーク・ライフ・バランスを実現するためのカギとは?一人ひとり異なる生きた個人の内面の声と、働き方やジェンダー規範という社会の構造的な問題とを、生涯発達心理学の視点から結びつける。
国際政治からみる「豊かな国」と「貧しい国」。変化する関係と援助。冷戦終焉から今日までの間に、先進国・途上国の関係はどのような変化を遂げたのか?世界の中心的課題に対して、経済を超えて、民主主義、ガバナンス、安全保障をも包含するようになり、「政治化」した開発援助アジェンダに焦点をあて、国際関係を紐解く新たな指針の1つを提示する。国際組織(OECD)研究と対外政策(フランス)研究にも貢献する1冊。
研究の緻密化と並行して細分化が進むなか、「帝国」の構造や植民地支配のあり方を総体として把握・理解する必要性がますます高まっている。そのために必要な論点を、政治・経済の制度と文化的側面の双方に目を配りつつテーマ別に整理し、第一線の研究者36人がわかりやすく解説する。研究の到達点と今後の展望を提示する画期的入門書。
災害時要援護者・災害弱者というカテゴリーでは拾えない「曖昧なニーズ」の典型としての「災害とジェンダー」。自然災害の被害とニーズを、地域単位の災害対応における被災者ニーズへの対応(=被災者ケア)という問題に即して検討し、保健師という職能の持つ可能性を提起する。
フセイン政権から女性を「解放」し民主化の実現を掲げたアメリカ主導のイラク戦争から十数年、戦争によってイラク女性は「解放」されたのだろうか。占領統治の女性政策、「民主的」選挙の実情、イスラーム主義勢力の宗派対立と女性の処遇など、様々な側面から女性を通して戦後イラクの実態を分析する。
ファッション、恋愛と結婚、家庭婦人と職業婦人、セクシュアリティーモダン都市文化が花開く1930年代から、戦時色に覆われる1940年代へ。恋愛を夢見ながら、高等教育機関への進学や、職業的自立を目指した女学生は、時代をどのように駆け抜けていったのか。
明治末から昭和戦前期に活躍した経済・社会政策学者で、大阪商科大学(現大阪市立大学)初代学長を務めた河田嗣郎は、男女同権の立場から、当時主流であった「良妻賢母主義」教育や平塚らいふうの主張する「母性主義」を批判し、女性の自立と母性の保護をともに論じていた。河田が残した膨大な著書・論文・記事を、精査。家族制度論・公民教育論・母性保護論・社会政策論をめぐる性別への視座に注目し、その思想が、現代のジェンダー論につながる先駆性を持っていたことを明らかにする。
「知性に性の区別なし」-一七世紀のデカルト主義者プーラン・ド・ラ・バールはこう告げて女性が男性と同様にあらゆる分野で活躍する社会に期待した。だがデカルトの母国フランスでは、二〇世紀初頭になっても二度目のノーベル賞の栄誉に輝いたマリー・キュリーでさえ、科学アカデミーの会員にはなれなかった。科学革命は、歴史の表舞台から女性を排除しながら進展したのである。自然哲学者・著述家マーガレット・キャヴェンディッシュ、物理学者・著述家エミリ・デュ・シャトレ、画家・昆虫学者マリア・シビラ・メリアン、天文学者キャロライン・ハーシェル…アカデミーから排除されながらも、後世に残る仕事を残した才気あふれる女性たちに光を当て、科学の価値中立神話をジェンダーの視点から突き崩した記念碑的一著。