本書は、急速に変貌するアジア地域の家族を、そこに暮らす人びとの日常の生活や意識をとおして理解しようとするものである。当然、極端な文化決定論や、あるいは直線的な社会発展論の立場からは距離をおくが、今ある家族の現象が、その背後に見え隠れする諸社会の伝統や文化とどのようにかかわりあいながら生じているのか、という問題意識を共有しつつ、現代アジア地域の家族の変容を浮かび上がらせることを目ざしている。
女性に対する暴力をどのように克服するかが社会全体としての喫緊の課題となっているが、本叢書の1では、ドメスティック・バイオレンス、セクシャルハラスメント、ストーカーの被害の廃絶をめざした法制度の検討を行っている。
ケガレという観念は決して過去のものではなく今日もさまざまな形で日本社会に浸透している。人々の暮らしの中であるいは社会的な儀礼や行事において日常の感覚とは次元の異なる禁忌(タブー)の意識が働く場合がある。本書では、ケガレの歴史的・文化的な形成過程を探る。
制度化された「労働」の批判。家事労働からセックスワークまで、労働のなかの“女/男”をジェンダーの視点から分析する制度・言説・表象の政治学。
ジェンダーという概念から現代社会を見た場合、政治・経済・社会・文化の枠組みの中では、はたしてどのような問題や課題が生じているのか。本書では、社会学・法学・経済学そして歴史・文化という多様な領域から、ジェンダー学に多角的アプローチを試みる。
世界の消費文化をリードしてきたアメリカ、その歴史を19世紀に遡り、通信販売の誕生から50年代の消費ブームをへて反消費主義にいたるアメリカ社会の特質を描く。
“ジェンダー”と女性の“病”が交差するトポスでいま、何がおこっているのか?理論と実践、大学と現場、個人と社会はどう関わるかを真摯に問いかける気鋭の論集。行政・NPO・研究に携わる9人の報告。
グローバル化と研究の細分化の中で、いまや大きな転換期を迎えつつあるジェンダー人類学-その膨大な蓄積を整理し、問題点と可能性を探る。本書は、今後のすべての議論の出発点である。
江戸末期から明治初期に活躍した只野真葛、江馬細香、清水紫琴、中島湘煙、樋口一葉らの漢詩、演説、評論、小説、日記を取り上げ、近代夜明けの女性表現の全体像を明らかにする。
「漱石」への透徹した批判と、柳宗悦の植民地認識、「親日文学」「在日文学」「アパッチ小説」の解読をとおして、ナショナル・アイデンティティの強者主義と男性原理を明らかにする、「近代」への先鋭な考察。日韓のナショナリズム分析で注目の著者初の本格的論考。
ロールズに代表される現代リベラリズムの諸前提ー善の構想の多元性、国家と法の中立性を批判し、フェミニストの法実践の基礎となりうる主体像を探究する。
世界の英語事情のレポートから国際英語との新たな付き合い方を提唱。世界共通語としての英語の正しい学び方。
ケガレという観念は決して過去のものではなく今日もさまざまな形で日本社会に浸透している。人々の暮らしの中であるいは社会的な儀礼や行事において日常の感覚とは次元の異なる禁忌(タブー)の意識が働く場合がある。本書では、ケガレの歴史的・文化的な形成過程を探る。
「男性の心理学」が必要である理由、男らしさがつくられる仕組み、恋愛・夫婦における男性、父親としての男性、職場での男性、臨床の現場での男性の6つの柱を概説し、男性の心理に関連する日本の研究29編を紹介。これまで見過ごされてきた男性の心理・行動の諸相を、ジェンダーの視点から科学的・実証的に明らかにした、日本初の「男性の心理学」。