「女と男の関係」で結ぶ日本史と西洋史。
ヨーロッパの戦いを勝利に導く原動力となった米第8航空軍爆撃機部隊。日々過酷な任務に出撃する彼らを援護し、ともにヨーロッパの上空で戦った。P-47のパイロットたちもまた、勝利の立て役者だった。パイロットから「Jug」の名で親しまれた頼もしき重戦闘機、リパブリックP-47サンダーボルトとエースたちの物語。
「男女共同参画」という時代の要請によって、今日、学校教育、そして家庭科には何が求められているのか。家庭科が抱える教育課題に取り組むことによって、いったい、どのような成果を上げることができるのか。さらにそのことによって、学校教育自体が内包するジェンダー問題にも変化が訪れるのだろうか。本書は、以上のような問いに対する答えを出すべく、著者が発表してきた論考に加除筆・修正を施し、さらに新たに書き下ろしも加えてまとめたものである。
雄々しい男性の理想像を体現した作家という固定観念を打破し、ヘミングウェイの初期と後期の作品の興味の中心が同性愛、性の役割の交換、異種混交にあったことを明らかにした画期的な研究書。
この本を読めば10日でイヤなオトコと別れられる。
レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」“地球と手をたずさえた暮らし”を取り戻すために。総合的学習の時間に役立つ自然体験活動マニュアル。
本書は、普通選挙権と議会制民主主義の貫徹を目指したイギリスのチャーティズムを考察の軸に、おもに階級史、ジェンダー・女性史、アイルランド問題の視角から再評価を試みた注目の民衆運動史論集である。また国王を家族的存在に変えたヴィクトリア女王の独自な役割を浮き彫りにした終章、及び著者の生い立ち、稀有の歴史家・社会運動家の夫エドワード・トムプスンと共に歩んだ女性研究者・妻としての生きざまを赤裸々に語る序章は、深い感動を呼ぶ。
環境社会学と社会運動論との接点を意識しつつ、環境運動が環境問題をめぐる社会紛争・問題解決過程、制度・政策の形成において果たしてきた社会的役割を明らかにする。さらに環境運動を主導する理念・価値、運動が直面する既存の制度や政治の壁など、日本における環境運動の展開過程を規定する諸条件を考察する。
本書は、英国社会学会に所属する女性研究者たちの努力により、学会発表論文を収集したものである。
本書の目的は、第一に、戦後五〇数年のわが国の立法の展開を総括することである。すなわち、そのつど制定されてきた立法群を、統一した原理と法理からなる一つの法として捉え、その目的理念と法体系を考察し、社会保障の組織、適用範囲、給付と財政、権利擁護等をめぐる基本原則ないし通則というべきものを構築すること、そしてそれによって今日における権利論の到達点を明らかにすることである。第二に、社会保障構造改革の課題に明確な展望を示すことである。このため、ここでは法律論のみならず法政策学のアプローチも必要となる。また、考察の対象を日本に限定しないで、諸外国の社会保障改革の動向をも視野に入れた普遍的な分析も求められるであろう。以上の目的に沿って本巻は三部構成からなっている。第1部は、社会保障法の基本的な論点ごとに、戦後五〇数年の総括と到達点を明らかにする。第2部は、社会保障法の全体に通底する論点として、家族、ジェンダー、損害賠償との関係を取り上げ、二一世紀の社会保障法像を展望する。第3部は、社会保障法の国際化をめぐって、ILO条約等の国際社会保障基準の形成と、グローバル社会保障の可能性を分析する。
本書は、グローバリゼーション研究とジェンダー研究との接点にある問題領域を明らかにするものである。
「科学の客観性」の意味が問い直される現在、「過去の科学」が規定した「女性の本質」がいまなお信じられている。一方、科学/技術に女性がいかに貢献し、何ゆえ貢献を妨げられたのかは、闇に葬られてきた。その知られざる歴史と日本の女子教育の考察を通して、科学/技術と人間が良い発展をとげるためには何が必要か、を明らかにする。
20世紀の世界的経験を大胆に総括。新たな「福祉国家体制」のあり方を構想する。
人は真に生きようとして、自己からの超脱を目指す。そして、瞑想・祈り・秘儀を通し、神との一体化を図る。古代ギリシアのエレウシスの密儀、ユダヤ教のカバラ、イスラム教のスーフィー、シャーマンの憑依現象…。神秘主義とは、一体いかなるものなのか。比較宗教学の泰斗が「合一」「同一」の基本構造を軸に、世界の主要宗教の神秘主義の諸相と特徴を解明する。
今日のグローバル化の急速な進展は、私たちに国内外における新たな格差や差別の形成に、よりセンシティブな視点とその形成のメカニズムや解決の方向を解明する新たな概念や理論の構築を求めている。本書の狙いは、このような現状認識に立って、21世紀の社会学に必要不可欠な視角として「階級」「ジェンダー」「エスニシティ」の三つに焦点をあて、これらの概念が個々バラバラにではなく、そららがどう関連しあって個々人のアイデンティティや現実の生活が生み出されていくのか、そのプロセスにおいてそのように新たな差異化、分断化、差別化が生み出されていくのか、そのメカニズムを明らかにしようとするものである。
ジェンダーの差異を巧妙に利用して帝国支配を確立したインカの実像と、スペインによる植民地主義に抗ってアンデス女性が企てた。自らの文化を守るための抵抗のかたち、先インカ期から植民地時代後半まで、ジェンダーと国家権力確立の関係を史料を駆使して解明する。支配と抑圧を正当化するインカ独自のジェンダー思想とはいかなるものであったのか。