「統一」から十年以上を経たドイツにおいて、「ジェンダー・スタディーズ」のパラダイム転換が着実に進行している。「資本主義/社会主義」の二項対立構造と結びついた伝統的な「性差」理解の変容過程の中で、「表象」「身体」「パフォーマンス」といった新たな問題系に、英語圏の議論とは異なった視角から光が当てられようとしている。一八世紀にゲーテとロマン派が発見した「永遠に女性的なもの」をめぐる歴史的言説と、ポスト・モダン的なジェンダー理論の交差点を探っていく。
この世で最も優しく美しい生き物、馬。競争馬、軍馬、役馬、乗馬、愛玩馬…。馬の心を知り尽くした著者が、馬と人との歴史をたどりなおし、物言わぬ動物を愛するとはどういうことかを問いかける。
近代いわゆる17世紀以後の科学的合理主義は果たして豊かで輝かしい歴史であったのか。「近代」のトータルな見直しを図り、人間性あふれたルネサンス人文主義と熟達した技術が調和した新たな近代を21世紀に展望する。
本書は、『トピックによる日本語総合演習 テーマ探しから発表へ 上級』の授業活動に使用するために作成したものである。ここで取り上げた5つのトピック「食文化」、「宗教」、「仕事」、「リサイクル」、「ジェンダー」のそれぞれについて、グラフ・表および記事類を収めている。
高等教育第一世代の女性の誇りと痛み。男性上位を前提とする伝統的性別役割と知の平等に立脚する高等教育との間の避け難い矛盾-米国史上初めて大学に学んだ女性たちは今日も引き続くこのアポリアに否応なしに直面し、その中でジェンダーに関する自覚的思考を深めた人たちであった。当時の一次史料を駆使した、わが国初のジェンダーの視点による大学史研究。
女性は違ったやり方で科学をするか?科学は公正中立か?教育の機会はジェンダー・フリーか?家事と育児は誰がするのか?数学にジェンダー・バイアスはかからないか?科学のフィールドから女性が排除される社会的・文化的背景を徹底的に洗いだし、ジェンダーの視点から新しい科学の可能性をさぐる。
女性解放の先達とされながら、優生思想の影響や性役割容認という批判もある平塚らいてう。「ジェンダー・アイデンティティ」の確立を求め揺れうごいた、らいてうの思想と行動を、彼女の生きた時代と個性の葛藤のなかから描き出す。きわめて日常的な家事・育児にかかわりつつ、壮大な宇宙構想へ至った精神のあゆみを明らかにする。
本書では、精神障害者の医療と福祉に関する諸問題を解説。さらにそれに関連の深いいくつかのテーマを特定して、医療・看護・福祉の総合的視点から論考した。看護にとって最も密接な課題のみを取り上げた。
韓国社会における男女の生きざまと家族のありようを人類学的視点から分析・検討し、男女の自立と共生をすすめることにより植民地的近代性の克服をめざす。気鋭の文化人類学者・フェミニズム研究者による韓国社会論。
古今集と源氏物語をジェンダーの視点から分析し、中世以降の女性和歌懐紙作法の変遷を追い、近代小説における女性像の持つ意味に迫るー平安朝から明治期までの諸作品に新たな光をあてる五編を収録。
本書はフェミニスト地理学の代表的な欧米の論文を集めたアンソロジーである。論文の選定にあたっては、初学者にとってわかりやすいものを選んでいる。本書を通読することによって、フェミニスト地理学研究が多様かつ多彩な特色を持ち、従来の固定化された研究枠を打ち砕き、新たな理解へとわれわれを導くものであることを理解してもらえるだろう。
本書は、70年代以降のフェミニズム労働論の課題を継承しつつ、経済学のなかにジェンダーの問題を位置づけようとする新しい動きを検証し、その意義を明らかにしようというものである。そして、本書の最も大きな特徴は、従来経済学がその領域から外してきた家族や世帯を、それ自体物質的基盤の一部としてとらえ、かつその内部の再生産労働(とくにケア)に新しく光をあて、生産領域と再生産領域という二つの異なった領域を統合(接合)して把握しようとすることにある。
格差の実態を検証し、政策課題を提起。不平等化と社会変動を関係づけ、再検討を試みる。
本書はWorld Wide Webを支えている各種の基礎技術について1冊にまとめて解説。WWWシステム全体の成り立ちや、Web間を行き交うコンテンツの転送を受け持つ各種プロトコル、特にHTTPについて詳しく解説し、トラフィック管理や分析方法やWebキャッシングなどの技術も取り上げている。