男女共同参画社会基本法が制定され、実質的な男女平等の実現が政策課題になっている。しかし社会規範である制度は、性別分業意識でジェンダー化されていると言わざるを得ない。本書では、その諸制度をジェンダー問題解消の視点から検討し、そのあるべき姿を再構築するための提言を試みている。
19世紀後半の英国を賑わし、現代にも生きる“新しい女”たち。“新しい女”をヒロインにした小説を、セクシュアリティ、ヒステリー症、レズビアニズム、ジェンダーの超克などの問題から照射。イギリス小説に変容をもたらした“新しい女”の系譜をたどる。
近年、教育史研究においても、男性中心の事件史、政権交代史ではなく、女性を含めた視点にたつ民衆史、生活史として、また社会史としてとらえ直そうとする試みがすすんでいる。本書は、それらの動向、とりわけフェミニズムの視点からの先行研究をふまえながらも、さらに越えて、両性の関係性を射程に入れたジェンダーの視点をとることによって、各時代がかかえていた教育史的課題を明らかにしようとした最新の研究成果である。女性と男性という性差をもつ人間が、歴史的にどのように形成され、どのような関係を築いてきたのかを、誕生から死にいたる人間発達のいとなみの側面から具体的に描き出そうとする意欲的な論考によって構成されており、これまで見えなかった歴史の諸相にあらたな光を投げかけている。
マクロな視点では、人口学的に有意義な分析が可能な最適の人間の集団は国家人口であり、種々の国々の個別の人口の分析をおこない、それらを地球全体として集大成することによって、はじめて地球に居住する人類の集団としての世界人口の実態が明らかにされることになる。本書はまさに、このような視点に立って執筆されたものである。
「子育てだけ」ではない人生を生きたい母親たち。「仕事だけ」ではない生活を求める父親たち。本書では、幸せな家庭願望が子育て難社会につながる矛盾を解き明かし、あらたな「子育て期支援」を提言する。
社会とその基底をなす教育を貫く「隠れたメカニズム」-現階級社会を正当化するイデオロギーの発出とそれに照応した人間と文化の再生産は、今なお日々繰り返されている。男女の非対称性、高校教育の階層構造等、今日の日本における「欺瞞の構造」を明確に摘出した、新たな現代国家・社会批判の書。
「良い社会」とはいったいどのような内容をもつのか。それはいかなる内容をもち、だれが、どのように実現していくのか。バブル崩壊以降の「失われた一〇年」を経て、つぎの時代へむかううえで、知的な作業として、社会運動の新たな展開という視点からみても、この論点こそが切実に求められている。本書は、このような視点にたち、(社)生活経済政策研究所で二〇〇〇年から二〇〇二年度にわたって「21世紀社会のアジェンダ」というテーマで、自主研究プロジェクトのかたちでおこなわれた研究成果である。
個人が選び取るライフコース、その交錯点としての現代家族。ライフコースを縦軸にしたジェンダーの視点による現代家族社会学入門。自立した個人に対応する福祉とシティズンシップのあり方を個人・家族・社会の関係から考える新しい家族へのアプローチ。
仕事と家庭の両立を試みている多くの父親と母親に贈るアグネス・チャンからの新たなメッセージ。少子化日本に一石を投じる話題の書。
急速な情報の増大と断片化が、重要なパラダイム転換を迫っている。ポスト・ポストモダンの現在、アメリカ文学は人間をどう扱い表象しているか。身体は?ジェンダーは?エスニシティは。