アメリカ・アジアを含む太平洋世界を一つの文化的風景として捉え、同時に多文化主義とジェンダーの視点を加えて、単なる受容や影響ではなく、文化接触・文化融合がもたらす変容の相を考える。そして環太平洋諸国だけではなく、その環のなかに目をこらすインディジナス(土着的)な姿勢をも重要視する。
変化の直中にあるアボリジニ社会。その歴史的背景や社会的実践のあり方を、しなやかで力強い生き方を見せる女性たちに着目して描き出す民族誌。男女の関係や平等のあり方は決してひとつではないことを示し、人類学的方法のオルターナティブを提案する。
ケガレという観念は決して過去のものではなく今日もさまざまな形で日本社会に浸透している。人々の暮らしの中であるいは社会的な儀礼や行事において日常の感覚とは次元の異なる禁忌(タブー)の意識が働く場合がある。本書では、ケガレの歴史的・文化的な形成過程を探る。
本書は、金香百合さんの「自尊感情栄養理論」「暴力理論」「経済至上主義複合汚染理論」について詳しく学びたい方、ファシリテーターとして参加者の力を引き出す学びの場をどう組み立てるかについて考えている方、社会教育施設や女性センター、職場や地域の研修などで日夜、ジェンダーについての学びの方法、学びの場の作り方、学びを活性化させる手法を試行錯誤されている方がたに手にとっていただければ、と考えている。
女性を愛してこそ、男性は自分を理解し健全な人生を歩めます。同様に、男性を愛してこそ女性は女性であることができるのです。
ヨーロッパ近代秩序としての公私二元構成ーその生成過程には、ジェンダー・バイアスの生成が伴った。姦淫罪(法と道徳の分離)、嬰児殺(人道主義)、読書協会(市民的公共圏の成立)の3側面から立証。
「社会的に作り出された男女の違い」を意味するジェンダーという概念は、1970年頃から登場し、現在ではマスメディアや行政の場で広く使われている。しかしその概念を正確にとらえるためには、ふだん私たちが拠り所としている「常識」の中に潜む矛盾や思い込みに気づき、それらを打ち破っていく必要がある。本書は、客観的なデータと最新の科学的知見に基づき、個人の生き方、恋愛、結婚、家族、社会などのあらゆる場面と深く関わるジェンダーの意味、その周辺に存在する問題に迫る。
制度化された「労働」の批判。家事労働からセックスワークまで、労働のなかの“女/男”をジェンダーの視点から分析する制度・言説・表象の政治学。
男女共同参画社会の法と政策を考えるために、ジェンダー(性差)についての固定観念を転換し、ジェンダーに敏感な問題意識を養うことが、法曹実務家や政策担当者・研究者・学生・市民等に求められている。法学的視点から、ジェンダーパイアスを明らかにし、既存の法律・学説・判例・実務等を再検討する、「ジェンダー法学」のスタンダード。
世界最高水準の研究教育拠点形成を目標とする平成15年度21世紀COEプログラム(社会科学分野)の1拠点として、東北大学「男女共同参画社会の法と政策-ジェンダー法・政策研究センター」が採択された。この拠点は、21世紀の日本と世界がめざす男女共同参画社会形成のための理論的課題を、法学および政治学を中心とする視点から明らかにし、「ジェンダー法・政策」研究という新たな学問分野を確立するとともに、ジェンダーセンシティヴな若手研究者・法曹実務家・政策担当者等を育成することを目的としている。また、研究教育の成果を世界に発信してアジア地域と欧米の諸機関をつなぐネットワーク拠点を形成し、地方公共団体・弁護士会等とも連携して、研究成果を政策実践にフィードバックさせることをめざすものである。
少子化の時代に、女性は社会と家族をどうつないでいくか。家族の表象を革新し、社会と家族の新たな関係を模索する。
ジェンダー法学は、既存の法律学をこれまでにない視座から批判し、既存の法制度や学問の領域にたって、性別による社会的不平等を是正しようと試みる。女性の普遍性、男性の特殊性の事実に目を向け女性の視点と経験が生かされることが、真の男女共同参画社会実現の第一歩である。新しい学問領域であるジェンダー視点から法学を学ぶ最新のテキスト。法改正と社会の動向をキャッチした充実の第2版。
21世紀の国際社会の合意である「ミレニアム開発目標」の実現によって、いかに貧困を削減するか。近年、欧米で盛んな開発研究の成果をふまえつつ、著者の体験を交え、開発途上国の抱えるさまざまな問題とその解決策を総合的に考察する。
男性スポーツ集団に深く関わりつつもその一員にはなりきれない、「境界」を生きる存在-女子マネージャー。新聞・マンガなどのメディア分析、関係者へのインタビューを通して、その誕生の背景、議論を呼びつつも増加していった理由、アイデンティティの不思議に迫る。