現代文学と日本文学を素材に、現代社会に潜む肉体と欲望をめぐる問題をジェンダーの視点で鋭く切る。アンジェラ・カーター、マーガレット・アトウッド、倉橋由美子、笙野頼子など、現代女性作家研究に必携の書。
女性学/ジェンダー研究とは…「自尊感情の育み」にかかわる理論実践である。それはまた自らの「痛み」を通して社会のあり方に問いをむけるまなざしの深さと、「当事者性」が問われる、とてもスリリングな知的実践である。
ケガレという観念は決して過去のものではなく今日もさまざまな形で日本社会に浸透している。人々の暮らしの中であるいは社会的な儀礼や行事において日常の感覚とは次元の異なる禁忌(タブー)の意識が働く場合がある。本書では、ケガレの歴史的・文化的な形成過程を探る。
「男性の心理学」が必要である理由、男らしさがつくられる仕組み、恋愛・夫婦における男性、父親としての男性、職場での男性、臨床の現場での男性の6つの柱を概説し、男性の心理に関連する日本の研究29編を紹介。これまで見過ごされてきた男性の心理・行動の諸相を、ジェンダーの視点から科学的・実証的に明らかにした、日本初の「男性の心理学」。
近代から連なる社会構造の変動と、人間のこころ・意識とを媒介するジェンダーの視点を中心に、法学・臨床心理学・社会学の3領域から家族をめぐる社会現象を考察する。2005年以降の動向をふまえた改訂増補版。
日本文学と世界を繋ぐ、文化・言語・領域を越える研究の最前線。国内外の気鋭の研究者による学術交流の成果をバイリンガルで掲載。国際的な共同研究が必要とされる現代の日本文化・比較文化研究の画期的成果。
断髪、洋装、シガレット。新しもの好きで自由恋愛主義ー帝国が領土と市場をめぐって激突する最中、人びとの憧憬と敵意とを集めたコスモポリタンな女性像「モガ」。「モダンな女」がいまだ不在の東アジアで、彼女の姿(イコン)が雑誌・文学・諷刺漫画・広告図像に忽然と出現するや賞賛と揶揄を巻き起こし、その表象と言説の力学はジェンダー、階級、エスニシティを新たなヒエラルキーのもとへと再編成していった…。国家、資本、エリート層、下層労働者、それぞれの主体が自らの欲望を投影した植民地的近代を、中国・日本・沖縄・朝鮮・台湾の豊かな資料をもとに、10人の研究者が解読する。
教育は権利であるー権利であることの最大の意義はその平等な享受にある。日本の社会教育の権利論にはジェンダー平等の視点だけでなく、権利の平等をめぐる視点が欠落している。本書は国際比較とその文脈に立って権利論を考える。
再生産領域における女性の移動に関する最新理論をふまえつつ、改革・開放以降の中国フェミニズムと都市家庭の家政サービス(家事代行)を担う農村女性たちとの連関を描く。
女性特有の課題への直面を契機として共感と連帯の意識を世界へと広げていく中で、「女の子」は自立し成熟した「女性」へと解放されていく。本書では、ジェンダーをめぐる今日的な課題に焦点を当てながら、日々の生活の共通体験を掘り起していく。
かけがえのない一生を自分らしく、より充実して生きたい。著者自身の痛切な体験をふまえて執筆されたこの本は、何よりも一人ひとりの女性が自立できる人になってほしい、そしてよき市民になってほしい、という願いのもとにトータルな人間観察の新しい方法を模索する「女性学」へと誘います。最新の動向とデータを盛り込んだ最新版。