社会的・文化的に構成された性=ジェンダーの視点から、普段気にもとめていなかった自分たちの性とそのあり方を問い直していきます。ジェンダー論の意味と女と男をめぐる日本の現状を、平易な文体で身近な問題から説き明かしました。
頬杖をつき、物思いに沈む解剖学者が手術台の女のヴェールを剥ぐしぐさは何を意味するのか?文学、絵画、映画、広告などに表れるジェンダー像を検証し、医科学が紡ぐ物語/イメージ支配の本質に迫る刺激的論考。図版多数収録。
かけがえのない一生を自分らしく、より充実して生きたい。著者自身の痛切な体験をふまえて執筆されたこの本は、何よりも一人ひとりの女性が自立できる人になってほしい、そしてよき市民になってほしい、という願いのもとにトータルな人間観察の新しい方法を模索する「女性学」へと誘います。最新の動向とデータを盛り込んだ最新版。
セクシュアリティの男女二元的構造が揺れ動く現在、ささやき、つぶやかれた「記憶の場」に立ち、女性作家作品の解読から文学の可能性を拓く。女性文学の新たな文脈を探る、気鋭の研究者による刺戟的な試み。
本書の中心主題は、ヒューマン・セクシュアリティは生物学的ルーツに強く結びついているという事である。脳とホルモンとの間にある生物学的機序を調べてみなければ、性的感情や性行動、男女の違い、あるいはゲイとストレートの違いを理解することはできないだろう。さらに、われわれのセクシュアリティを現状のように発展させてきた進化の力も理解する必要があるだろう。本書ではこれらの研究に関する事例について述べている。
再生産領域における女性の移動に関する最新理論をふまえつつ、改革・開放以降の中国フェミニズムと都市家庭の家政サービス(家事代行)を担う農村女性たちとの連関を描く。
「家族」言説からの解放を目指して。いま、「家族」には何が起こっているのか。近代から現代へと連なる社会構造的な問題と、人間のこころ・意識とを媒介するジェンダーの視点を中心に据えつつ、法学・臨床心理学・社会学の三方面から、家族を巡る社会現象を考察・分析する。
本書は、1970年代以降のマレーシアの経済発展における労働力構造の変化を分析の対象とし、いくつかのケース・スタディをもって、マレーシアの労働市場のセグメンテーション(分断)の構造を示したものである。
19世紀後半の英国を賑わし、現代にも生きる“新しい女”たち。“新しい女”をヒロインにした小説を、セクシュアリティ、ヒステリー症、レズビアニズム、ジェンダーの超克などの問題から照射。イギリス小説に変容をもたらした“新しい女”の系譜をたどる。
もっとも身近で日常的な社会意識に注目し、データによる実証研究、理論的研究、アジアの社会との比較研究などの多彩な試みを通して、多文化世界におけるあらたな市民社会の構想に一石を投じる。
断髪、洋装、シガレット。新しもの好きで自由恋愛主義ー帝国が領土と市場をめぐって激突する最中、人びとの憧憬と敵意とを集めたコスモポリタンな女性像「モガ」。「モダンな女」がいまだ不在の東アジアで、彼女の姿(イコン)が雑誌・文学・諷刺漫画・広告図像に忽然と出現するや賞賛と揶揄を巻き起こし、その表象と言説の力学はジェンダー、階級、エスニシティを新たなヒエラルキーのもとへと再編成していった…。国家、資本、エリート層、下層労働者、それぞれの主体が自らの欲望を投影した植民地的近代を、中国・日本・沖縄・朝鮮・台湾の豊かな資料をもとに、10人の研究者が解読する。