「入居資格は伝統的家族制度に挑戦する家族であること」友朗が住む地園田団地は、設立者の大富豪の意向で、主夫のいる逆転家族や血縁のない契約家族、同性愛カップルなどが住む実験団地だった。そんな風変わりな場所に今度引越してきたのが小田島博士一家。しかし博士は到着早々何者かに誘拐されてしまった!友朗と団地住人たちは、博士の娘の美宇を助けて真相解明に乗り出すのだが…不思議な街のユーモアミステリ。
未来に向けて「働くこと」を語る。ジェンダーの視点から歴史的に。
女性「移住労働力化」はいかに国境を超えたジェンダー秩序の再編をもたらしているのか?家事労働、人身売買や身体部位取引も含む“再生産領域のグローバル化”が引き起す、家族・地域・国家・グローバル資本展開でのジェンダー再配置の連鎖を読み解く。
揺らぐ暴力の世界ー新たなジェンダー体制への理論的挑戦。世界では現在、いかなる暴力の物語が流通し、どのような欲望を語っているのか?文化表象分析と理論再考を往還しながら、「欲望・暴力のレジーム」の変容を読み解く。
男女が別々に競技する現代スポーツに対して、「男女別競技を撤廃しよう」「男女の身体能力差を考慮すべきだ」などの多様な意見がある。現在の男女別競技は、どのように「常識」になっていったのだろうか。近代日本におけるスポーツ受容、女子選手への批判、遊技教育の諸相から、戦後の「東洋の魔女」、プロ野球、生涯学習としてのスポーツまでの歴史的な事例を丹念に辿り、従来の議論が見落としていた「身体感覚」という視点から私たちが身体とジェンダーをどのように捉えてきたのかを浮き彫りにする。それをもとに、「規範としてのジェンダー」という視角から、優劣や役割にとらわれないジェンダーの可能性を提言する。
ジェンダー・フリーを支援できるような、あるいは既存の理論、制度、常識の中のジェンダー・バイアスを的確に掘り起こすような、心理学の研究とはいかなるものであろうか。それを具体的な研究で示したのが本書である。本書はジェンダーの視点を取り入れた心理学研究とはいかなるものかを、家族関係、教育・学校生活、社会生活、臨床・実践の4分野の中から、32編の優れた研究を選んで、具体的な実証研究を通して明らかにしたわが国初の研究案内の手引き書である。ジェンダー研究に関心をもつ学生、大学院生、研究者の必読書。
ジェンダーは、女を歴史の周縁から中心へと転位させる批判的概念であった。しかし、その限界が見え始めたいま、あらためてジェンダーと歴史を再考する増補新版。
ジェンダーの視点で広がる発達研究。ジェンダーという概念が導入されて新たな地平が開かれた心理学研究。現実のさまざまな場面に見られる男女の差をその特徴、成り立ち、生物学的・社会的意味から検証しながら、人が社会・文化・歴史のなかのジェンダーに影響されつつ自己を形成していく様子を生涯発達として描き出す。
レディスコミックからジェンダー表現ガイドラインまで、女と男の性差から生じる世紀をまたぐ相互干渉の課題を縦横無尽に論じる!意識とメディアをめぐるカルチュラルスタディーズ。
個人が選び取るライフコース、その交錯点としての現代家族。ライフコースを縦軸にしたジェンダーの視点による現代家族社会学入門。自立した個人に対応する福祉とシティズンシップのあり方を個人・家族・社会の関係から考える新しい家族へのアプローチ。
男女の人為的差別を表すジェンダーの歴史的背景から今日の状況までを検証し、差別をなくすための諸方策を示唆!ジェンダーの視点から法制度・判例を分析・検討し、真の男女平等社会を実現するための諸課題と論点を明示。
本論では、“男装の少女”というヒロイン像を切り口に、日本の少女マンガにおけるジェンダー表象がどのような形で構築され、どのような形に変容していったのかを探ることを主要な目的としている。“男装の少女”というヒロインの容姿造形を構成する絵画表現、すなわちジエンダー・コードとなる表象記号に着目し、どのような表象記号の組み合わせによってヒロイン像が描き出されていったのかに重点を置いた論考を試みている。
ワステカ(la Huasteca)と呼ばれるこの地域は温暖多雨で肥沃な土地に恵まれ、先スペイン期からトウモロコシの栽培が人々の暮らしを支えてきた。だが近年、とくにメキシコ国家が新自由主義体制に移行してからは、グローバル化の巨大な波が、直接的・間接的に、そして急速に押し寄せてきた。このような社会経済的な変化とジェンダーとの関係は、どのように分析できるだろうか。
ジェンダーに関わる社会現象を分析するために社会理論はいかに有効か。研究の最前線を担う執筆陣が明らかにする。