女の生きる場へ、あるいは女性政策の現場から、〈多様性の響き合う共同性〉をめざして、フェミニズムの明日を語り続ける。
中世から現代までに表現された美術の中の女性たちを、社会学・心理学・図像学等の成果を駆使し、フェミニズムの視点から綿密に再検討。美術における男性中心的な認識の枠組みに疑義を挾み、社会と文化とのあり方に変更を迫る。
「女/母」の身体性から、いまフェミニンの臨床哲学を拓く。マイノリティ諸当事者の問題に対峙し、フェミニズムのポスト構造主義ジェンダー論からクィア理論の問題意識へと踏み込み、新たな倫理的価値軸と主体像を模索する。
教育にこそフェミニズムが必要だ!男女平等が前提とされる一方で、性差別的な言葉や行為に満ちた学校空間。とりわけ教師の無意識のふるまいが、女子たちに与える影響は大きい。差別と抑圧を超え、自己を解放する力をもたらすために、教育に何ができるのか?無意識の性差別の再生産を止めるために。従来のフェミニズム教育論が乗り越えようと奮闘してきた既存の権力関係に変化をもたらそうとする新しいフェミニズム教育論!
女のままでは仏になれない。女性を切り捨てて、男だけの世界を築いてきた仏教のゆがみを厳しく糾弾。
フェミニズムの理論状況を概観し、女性の日常的経験と意識を中心にすえた新しい社会科学の方法論を確立する問題提起。
この20年、女たちは何を論じ何を残したか。若い世代による批判的な吟味を通して、フェミニズムの90年代を展望する。
「女の立場」に固執することは、もはや不毛である。性の平等を指向する普遍的価値観へ、いま発想の転換を促す。
文学テクストの言葉は、書き手の意織・無意識を問わずその社会的性格によって女性を抑圧する言説に傾きやすい。これまでの批評・解釈では看過されてきた女性の主体がきらめく瞬間をとらえること、性差別を超えた彼方を構想すること。本書はこうした「フェミニズム批評」の関心にもとづき、日本近代文学の著名なテクストの丹念かつ冒険的な読みを試みる。
「個人的なものは政治的」だろうか。やさしさと感受性に溢れた愛の関係を求めて、繊細で鋭敏な議論をくりひろげる。
女性の「内なる差異」の追究から共存的フェミニズムへの道をひらく。
批判的社会構築主義の射程。グローバル化過程におけるジェンダー・ポリティクスについて、ウェストファリア・システムという制度とその揺らぎとの関連で考察する。
身体、そのリアリティから生起する今日の倫理を問う。
本叢書は、COE研究会(公開研究会・学内研究会)や国際シンポジウム等の成果をふまえ、ジェンダー法学・政治学に関する最高水準の理論と最新の情報とを提供することによって、世界と日本の男女共同参画推進に役立つことを目的としている。
爆撃されるイラクの街に生き茂った棗椰子が、世界を変える夢の力を呼びさますー第三世界の女性たちの声に耳を澄ましフェミニズムを大きく動かした著者が、文学や映画をはじめとして、出来事の深みに降りゆく想像力をもつさまざまな試みのなかに、新たな世界への扉をさぐりあてる。
大英帝国の女性たちは、19世紀後半、フェミニズムを追い風に中・高等教育を獲得し教師となって、男子進学校と同等レベルの、女性による女子教育という領域を切り開いた。さらに植民地拡張の時流に乗って、単身オーストラリアやアフリカなどへ渡っていく。2つの大戦期までの女教師たちの姿を追いながら、彼女たちが女子教育にかけた夢、その光と影を浮き彫りにする。
内なる声に動かされて女性たちはいかに格闘し、自らの表現手段を獲得したか。本書は主に、18世紀から19世紀にかけてのやや古い時代に、ドイツの女性たちの書き著したものについての論を収めた。