本書は、「政治」をどのように考えるかという問題を、政治学の知見を踏まえて真剣に扱うことにより、「政治」をめぐるフェミニズムの理論的考察に新しい知見を提示する。公/私の境界線、国家・社会・家族の関係、「男性のケア」などへの注目を通して、政治学の中心問題に「フェミニズム」をすえるとともに、「女性問題」ではないジェンダー平等を展望する。
目ざましく発展するポピュラー音楽研究の最新動向。社会学、音楽学、記号論、構造主義、フェミニズム…相互に関連し合う多彩な学問領域からのアプローチが進む英語圏の現状を一挙に紹介する。第一人者による待望の翻訳。
離れる他に、できることはないのだろうか。病理/非病理、偽物の愛/真実の愛、不幸/幸福、支配・従属/支え合いなど、多くの両義性を抱える「共依存」をめぐる言説を分析。そこに存在する倫理観を暴き出すことで、臨床の専門家や各領域の理論家が見逃してきた倫理と現実を提示する。
竹中恵美子を知っていますか?竹中恵美子の「女性労働研究」に出会った人たちが、その出会いをどう受けとめ、自身の実践や人生にどのような影響を受けたのか、熱く語る。
家族とは何か。女らしさ・男らしさや愛情にもとづく家族は普遍的なのか。フェミニズムから出発し、視角と方法としての歴史社会学を駆使して家族研究の新展開をもたらした古典的名著。重要論考と書き下ろしの自著解題を収録した増補新版。
本書は、近年盛り上がりを見せる「分析フェミニズム」の重要な論文を紹介する。分析フェミニズムは、英米系の分析哲学と呼ばれる潮流のなかでフェミニズムに関わるさまざまな問いに取り組む分野である。たとえば、「女性」概念をどう定義すべきか、性的なモノ扱いとはどういうことか、マイノリティの声はどのように封じられるのか、トランスジェンダーの人々を抑圧するレトリックの根底にあるものは何か、といった問いが分析哲学の手法を用いて論じられている。本書では、形而上学、認識論、倫理学の主要なトピックから、代表的な論文8本を選定。いずれも海外のフェミニズム哲学の授業で頻繁に講読されている必読論文である。
必要なのは、「包摂」や「多様性」による改修ではなく、解体だ。白人女性の利益のためにマイノリティを抑圧し、差別構造を利用してきたホワイト・フェミニズムと、それに対抗し、黒人、先住民、クィア、トランスジェンダーなどのマイノリティ女性たちが実践してきたインターセクショナル・フェミニズムの歴史を活写する。
この世には二つの尺度がある。男の尺度と女の尺度である。私たちは、男の尺度=客観の前提を打破し、新しいフェミニスト英文学史を創造しなければならない。
既存の政治党派をのりこえ、批判的抵抗運動の中枢にあるイギリス・フェミニズムの思想と活動を生き生きと伝える。
環境社会学と社会運動論との接点を意識しつつ、環境運動が環境問題をめぐる社会紛争・問題解決過程、制度・政策の形成において果たしてきた社会的役割を明らかにする。さらに環境運動を主導する理念・価値、運動が直面する既存の制度や政治の壁など、日本における環境運動の展開過程を規定する諸条件を考察する。
身体・性と密接に結び付いている宗教。さまざまな現象を分析し、種々の角度から宗教の本質に関連する大胆な考察を試みる。