医術の才に恵まれた兄の律秀と物の怪の姿が見える弟の呂秀は、庶民の病を診て薬を方じ、祈祷で禍を退けながら暮らしている。村に流れる物騒な噂を聞き調べる中で、呂秀は「新しい主」を求める一匹の鬼と出会いー。室町時代の自然豊かな播磨国を舞台に、陰陽師の兄弟が様々な怪異に迫る。珠玉の連作短編集。
袁氏を滅ぼし勢いづく曹操。だが、諸葛亮と劉備の出会いがその霸道を阻む。曹操、孫権、劉備。三者が天下に並び立つ完成図を胸に献策を続ける諸葛亮。次第に力をつけた孫権は劉備とともに曹操を攻めるー「赤壁の戦い」である。曹操軍は水上戦で得意の鶴翼の陣を展開し勝利を手にするはずが、疫病と風に足元を掬われ、窮地に陥る。
教科書は十分に読んでいるし子どもは活発に発表するけど何か手応えがない。そんな悩みを一気に解消する一段上の授業力。ゆさぶり発問、水平思考ゲーム、問題解決型新聞、音読タイム…etc.
スマホやゲームを取り上げるのは逆効果!ネットゲームは苦しみを解消し、生きていくための「心の杖」。依存の裏にある子どものSOSに気づいて、親子で抜け出す処方箋。
陽一の母とユカリの父が結婚し、二人は兄妹となったが、五年前に両親が他界。のんびり屋の陽一としっかり者のユカリと、性格こそ正反対だが、健気に支え合って暮らしてきた。ある日、庭先にムックリボディの猫が現れる。猫に心奪われたユカリが家族に迎えたいと言い出すが、思いがけない騒動に…。何気ない日常をユーモア溢れる筆致で描き、幸せと静かな感動あふれる連作短篇集、待望の新装版!
『三国志』をはじめ長年中国歴史小説を書き続ける著者が、自らの歴史観、世界観、小説観を余すところなく開陳した一冊。『三国志』をめぐる多彩な論考と、五木寛之、井上ひさし、宮部みゆきらとの歴史小説をめぐる対話、さらには碩学・白川静との中国古代史をめぐる対話など、読者を宮城谷昌光の世界へと誘う最良のガイドブック。
「夫は自ら死んだのではない」自殺とされた札差の妻おとよは確信していたが、証拠がない。話を聞いた青柳剣一郎は調べを進め、死の直前に御家人と不審な大金の取引があったことを掴む。すると、探索を阻むよう、次々と刺客が姿を現した。この執拗さは一体…戸惑いながらも、真実に迫る剣一郎。だが、敵は予想外の奇策に打って出る。シリーズ第二十六作、衝撃の結末。書下ろし長編時代小説。
急激な変化の渦中にある水田農業。求められるマネジメントとは何か、農業の働き方は変わるのか、棚田は誰が守るのか、丹念なフィールドワークから検証する。
最初に日本列島にきた馬はどんな馬だったのか。馬はどう飼育・活用され、どのような馬文化が生まれたのか。馬の登場が日本の歴史に与えた影響とは?馬具や文献に加え、近年、出土した馬そのものの分析も進んでいる。5〜6世紀にかけて東アジアや日本列島の各地域の様相、馬と関わる人々の生活など多角的な論考をそろえ、各遺跡や調査・分析コラムも充実。
歌舞伎町の中国黒社会で生きる武基裕。彼は残留孤児二世として中国から日本へやってきた。しかし、その戸籍は中国で改竄された偽物だった。ある日、武の所属する東北人グループのボス韓豪が、日本のやくざ東明会との交渉の席で、バイクで乗りつけた二人組に銃殺された。麻薬取締官の矢島茂雄に脅され、武はクスリの利権が絡むこの事件を調べるはめに陥る。手掛かりを求め、武は情報屋・劉健一のもとへと足を運んだー。
イスラーム思想史上最大の思想家といわれ、現代においても大きな影響を与えているガザーリー。信仰をゆるぎないものとする確実な知識を求めてスーフィズム(神秘主義)に回心した彼は、学者として最高の地位を捨て、放浪の旅に出たという。スンナ派のセルジューク朝とシーア派のファーティマ朝が対立する時代、ガザーリーの波乱万丈の人生をたどりながら、スンナ派思想の形成という観点から、ガザーリーの果たした役割をとらえなおす。