毎年春になると華麗に咲き競い、日本列島を彩る数々の桜。その姿が消えてなくなるなど、杞憂と思われるかもしれない。しかし、桜の未来を現状からだけで推測していいものか。生物は、一種一種が勝手に生きているのではなく、長い歴史を背負って、相互に直接・間接的な関係を保ちながら生きているのだ。わたしたちの身近に存在する植物の現状を知ることが、生物多様性を知るための、第一歩となるだろう。
私の性別は私が決める。ジェンダーを自由に選択できる多様な性のあり方を認めよう。
本書はこれまで出版されてきたような外国人研究者による日本文化論でも日本人論でもなく、多文化比較による異文化マネジメントを内容としている。
性愛的転移、治療者/患者の妊娠、母親になるという「断絶」体験、暴力的ファンタジー、攻撃者との同一化、トラウマ体験の「憑依」、治療者の死…“臨床的なお話”でたどる、現代精神分析のリアル。
いっそうの女性の活躍のためには、旧来の性別役割分担意識の改革がなされ、男女が育児経験を共有できるようになることが重要である。働く場はそれを実現するために、多様で柔軟な働き方を用意し、その適正な評価・待遇を行うことが必要とされている。そして、子どもたちには人格形成の基礎を培う重要な時期にふさわしい環境が整備されることが望まれている。今後も産業構造の変化、グローバル化、技術革新などによって人々の生活や働き方は大きく変化していくだろう。女性がいっそう活躍できる環境作りは、大きく変化する社会にしなやかに対応する環境作りであり、多様な能力を活かす社会への進化に通じる。本書は、現状における人々の意識や働く場所の状況、保育ニーズの多様性を踏まえ、女性が活躍できる環境とその整備に必要なものを探った。
地球の生物種は「第六の大絶滅」と言われるスピードで減少している。生物多様性論の旗手、E・O・ウィルソンからの警告と提言。
20世紀後半、海洋における生物、非生物資源の開発利用や乱獲が現実となった。これらの開発・利用について、公海、深海底ではいずれの国も管轄権が及ばない。そのため、いまの国連海洋法条約では、生物多様性の保全や持続可能な利用の規制が不十分となっている。いま国際的に最大の論点は、このような「国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)」の問題である。本書はこの問題に取り組む国連などの現状とその展望について、現場にかかわる関係者や研究者によって浮き彫りにする。
辺境の地、奄美から発信する、自然史研究の最前線。奄美群島。この亜熱帯島嶼域は、じつは世界に誇るべき生物多様性を有する生物学者にとっての“約束の地”だ。
気鋭の進化発生生物学者が、人体形成の謎を解く遺伝学の成果と、ヒトの突然変異をめぐる歴史物語を縦横に語る。
社会学界の最前線で活躍している若手研究者による論文集。都市社会学、地域社会学、沖縄研究、移民研究、地域福祉、障害研究、宗教社会学、生活史調査などの専門家が、社会の現状分析を試みる。