国際都市上海の「モダンガール」を半植民地主義の視座から捉え直し、トランスナショナルな女らしさの構築メカニズムを探究する。
日本の教員・学校管理職をめぐる人事制度の真実に迫り、女性教員をめぐる「システム内在的差別」の実態を解明する。全国調査、複数の自治体への調査・分析を通じて、「管理職任用制度」と「教員個人のキャリア形成への契機」という2つの視点から、「女性学校管理職はどうすれば増えるのか」への答えを導き出す。
生命と環境をめぐる最前線テーマ、「誕生前の死」を初めて捉える。
本書は、10年、100回以上にわたって行われている「精神分析的精神療法セミナー」の実践記録を基に、今までの類書にない新しい効果的演習方法を公開するものである。神経症圏からパーソナリティ障害、精神病圏といったあらゆる精神疾患を取り上げ、スーパーヴィジョンによる症例の徹底検討とそこから浮き彫りにされる基本的精神分析概念の学習討論を通して、精神分析的精神療法の基本的技法を身につけることができる。
ガウス、ガロア、カントール、ナイチンゲール…19世紀、数学者は磨き上げられたロジックを武器に、新たなフロンティアをつぎつぎと開拓していった。女性の活躍も増え、先駆者たちが知の世界の完成を目指し疾走する。
こころとからだの有機的関連性を軸に、「生命」、「人間」、「健康」、「精神」について、健康とは何かを考えていく。統合科学(メタサイエンス)として心身健康科学という新たな学問領域に多角的にアプローチ。その際「健康のあり方」や「人類の幸福」、生命進化の視点からは、「人・自然・文化との共生」や「生態系との共存」、「生きる価値観」や「真の生きがい」といった論点にも触れている。
生命の“質”から生活の“質”へ。戦前の人口の“質”に関する論議から戦後の人口論まで、人口問題と社会政策をめぐる日本的系譜の全体像に迫る。
フェミニズムにあらためて注目があつまるなか、心理学の研究者や実践家たちは何を考え、どのような問題を提起するのか?その成果をもとに、この社会がかかえる問題を知り、そこに埋もれた「声」と手を結ぶ。いま、そこに光をあてるとき。
生存を賭けた共同性の創造/想像とは何か?トランスナショナルな移動をなすコリアンの歴史と現在。
21世紀に入り、世界中の軍隊で、女性兵士は数を増し、その役割を拡大させつづけている。しかし、この現象を単純な男女平等の進展と解するべきではないこと、フェミニズムにとって女性兵士は難問として存在するのであり、さまざまな立場がありうることは言うまでもない。本書では、この20余年のあいだに起こったさまざまな変化をふまえつつ、女性兵士が果たすことを求められてきた役割とその効果に着目し、検証していく。本書を貫く主張の一つは、戦争・軍隊を批判的に解剖するにあたって、「ジェンダーから問う」という視角が不可欠である、ということである。男らしさや女らしさといった観念の操作は、軍事化を推し進め、戦争を首尾よく遂行する際の要である。一方で、軍隊も戦争も、女性たちに依拠することを必ず必要としており、彼女たちの経験から現象を見つめることは、その男性中心性を明らかにするうえで欠かすことのできない作業である。本書は、「ジェンダーから問う」ことが、戦争・軍隊を批判的に考察するうえでいかに重要なのか、この視点を有することで見えてくる風景を描くことにより示していく。
観念的議論を超え、具体的な課題へ。国勢調査マイクロデータから移民の社会経済的状況を定量的に分析、その傾向と特徴をナショナルレベルで明らかにする。文化的共生に重点が置かれてきた日本における移民研究を階層概念を軸に再構成し、移民の社会的統合を進めるにあたり具体的な議論につなぐ視点を提供する。
20世紀最大の経済学者ケインズが巻き起こした「革命」は、未完に終わった。本書は、ケインズとその意思を継いだ人々の姿を浮き彫りにし、20世紀の経済学を再考する。
時間、空間、名前、錯覚。芸術は、脳の働きそのもの。芸術は脳に語りかけ、脳科学者は芸術に新しい視点を見出す。