「庭師の国民」が作り上げた、豊かな庭園文化。ハーブ研究家桐原春子が、みずから訪れ、カメラにおさめた140の庭をオールカラーで紹介した、英国庭園案内。
「助けろよ、俺だって、あんたを助けるんだろ?」「青の少女」と「追想」という二枚の絵に、ローズマリーの肖像画との隠された関連を感じとる時弥。だが、弟の行宏から送られた一通のエアメールによって、時弥は謎解きを中断し、日本への一時帰国を決意する。身勝手で非協力的な幽霊、アンディとともにー。ラルフとエリックとタマラ、アンディと親友エイドリアン、時弥と行宏の間に横たわる感情の行方は、喪われた絵だけが知っているのか…!?消しされぬ過去、そしてまだ見えぬ未来、時計じかけのホーンテッド・アフェクション。
古(いにしえ)より詩のなかでうたわれ、絵画のなかに描かれてきた古代ローマの理想的な自然の風景を庭園のなかに表現したのが、「風景庭園」の始まりである。本書では、何十年にもわたって幾人もの人々の手にかかり姿を変えてきたイギリスを代表する11の庭園を紹介する。そのデザインから歴史的変遷までわかりやすく解説しながら、100点近い写真で日本のそれとは全く違う「庭園」の魅力を解剖。イギリスの人々が年に何度も訪れるという独特の空間には、どんな光景が広がっているのだろうか。巻末には、それぞれの庭園の所在地、開館時間、料金など詳細な情報と地図も掲載、そのままガイドブックとしても利用できるようになっている。
空間にあふれる色、匂い、光、ファンタジーそしてエロス。五感を兆発する悦楽の建築空間を求めて。
工作の合間に小説を書いたりテレビに出たり…「欠伸軽便鉄道」の森博嗣社長は今日も忙しい。沈着冷静な文体に漂うそこはかとないユーモア。「ホンキで遊ぶオトナ」のテツガクとは。
「イギリス式庭園」ないし「風景式庭園」をめぐって、十七世紀から十九世紀のおもにイギリスで、歴史上類のないほど多くの庭園美学理論的な言説が現れた。本書はこれを精査することで、イギリス風景式庭園を支えた思想の歴史的展開を探るものである。
なだらかな草原、ゆるやかにうねる小川。18世紀英国が生み出した「西欧庭園の革命」-風景式庭園。ささやかな敷地に色とりどりの花が咲き乱れる「なつかしい庭」-コティジ・ガーデン。緑なすイングランドを舞台に、「楽園の夢」実現にかけた英国人の飽くなき情熱をたどる。
日本庭園を大胆に8パターンに分類。庭園の違いを見抜く基本コンセプトをマスター。さらに庭園にこめられた様々な思想・宗教を読み解くことで、日本庭園の独自性が浮き彫りに。季節の草花を愛でる庭園「鑑賞」から作庭家と心を通わせる庭園「観照」へ。
植物の分類法に画期的なシステムを導入したのは、スウェーデンの博物学者リンネであった。植物の生殖器官ー花に着目し、その形態を基準に、雄しべと雌しべの形と数で分類してゆくその方法は「セクシャル・システム」と呼ばれ、18世紀の後半にはヨーロッパ中に広く知れわたった。イギリスでその思想に共鳴したソーントンは、リンネ分類学を図解した大著の出版を計画し、そこで生まれたのが史上最美といわれる植物図鑑「フローラの神殿」である。初版と第二版に異同のあることで有名なこの図鑑を、初めて完全収録して公開する。
緑滴る築山、滝口から流れる豊かな水、池を巡る石組。室町・桃山時代から現代に至るまで日本人に最も好まれた作庭様式である池泉の名庭を紹介する。
実に巧妙な建築と庭との関係。主庭・中庭・導入庭。どうすれば建築と庭園に一体感が生まれるのか。
発見からまだ20年足らずの深海のオアシスには、地球の誕生と生命の起源にまつわる秘密が隠されている。潜水艇アルヴィン号の女性パイロットで、深海生物学者である著者が、最新の研究成果をもとに、読者を深海の庭園へと案内する。