禅宗思想の影響とともに、室町時代に京都を中心とした寺院に作庭された「枯山水」。白砂と苔と石組の単純な組合わせを山水画に見立て、庭園の美を見出す。
作庭家は石の気勢を読む。禅そのものは、目に見えない。その見えないものを形に置き換えたのが禅芸術で、禅寺の庭園もその一つである。西芳寺、天龍寺、瑞泉寺、永保寺、恵林寺…。これらの禅宗様庭園を各地に施したのは、夢窓疎石である。室町期、臨済宗の黄金期を築いた夢窓禅師による枯山水様式の源流となった庭は、臨済禅の高みの境地の顕現であると同時に、のちの日本庭園の規範となった。禅僧にして庭園デザイナーである著者が、禅師との共通体験をもとに、綿密な実地踏査により描き出す日本庭園観照記。
驚異、幻想、混沌、謎めく影…愉楽園への100の扉。ヴェネツィア、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、パレルモ。個性豊かな6大都市を基点に、魅惑のイタリア庭園をめぐる。
江戸時代に各藩の大名が競いあって造った庭園。いまなおその優美さを残す全国の庭園38カ所を写真や絵図で紹介。付録-全国大名庭園マップ、庭園用語ミニ辞典。
ニュージャージーの私立高校生アリスは、自分の暮らす世界になんの疑いもなく毎日を送っていた-ある夏、幼なじみで運命の人だと信じていたマシューがメキシコで行方不明になるまでは。深い悲しみに打ちのめされるアリスだが、卒業へと向かう日々をマシューを愛したひとたちと過ごすうちに、ほんの少しずつ変化がおとずれる。大切なひとのために生きつづけること、喪失感の果てにきざす光があるということ、罪をゆるすということ…アリスは死と愛についてひとつひとつ学んでゆく。繊細に、そして驚くほどのリアリズムで著者が描くのは、悼みと勇気、愛と超越、誠実さと記憶が織りなす青春の物語、時におかしみを漂わせ、時に胸を突き刺すそのみずみずしい語り口は、読む者の心を深く震わせる。
リラックスに、脳の活性化にだれでもすぐにはじめられます。この本では、現在英国で活躍中の画家、山中麻須美さんによる、英国屈指の名庭の美しい花の12枚を紹介しています。まず絵を目で楽しんだら、今度はあなた自身が描く番。手近にある色鉛筆や絵の具を使って、英国の王立庭園の名花の色を描いてみましょう。
日本でも関心が高まっているイギリスの庭を実際に取材し、それぞれを詳しく紹介したのが本書である。豊富な写真とともに、庭園の見取り図なども加え、庭園ガイドとしては例のない充実した内容に仕上げた。
日本でも関心が高まっているイギリスの庭を実際に取材し、それぞれを詳しく紹介したのが本書である。豊富な写真とともに、庭園の見取り図なども加え、庭園ガイドとしては例のない充実した内容に仕上げた。
様式の変遷が中心になってきたこれまでの庭園史では、そこに植えられる樹木・草花やその植栽技術などについては、あまり語られてこなかった。しかし近年、飛鳥浄御原宮や朝倉氏遺跡、安土城など、古代から近世にかけての遺跡発掘が進み、花粉分析などの生物学・農学的なアプローチも多用されていることから、かつては文献によってしか跡づけることができなかった植栽を直接検討することが可能になった。日本庭園の源流となった海洋風形式の庭園が移入・形成された飛鳥時代・奈良時代には何が植えられていたのか?平安以降の国風文化の植栽の姿。武家の世となり、茶室に通じる露地が出現すると、何が好まれるようになったのか?そして江戸期の大規模回遊庭園の植栽は?など、時代の状況がどのように植栽を規定していったかをみていくと、日本史における精神世界の構図が、別の角度から見えていく。文化史や都市史研究にも示唆を与える。
ガーデニング熱の高まりと共に注目を集めるロシアの庭園について、その歴史・ロシア人の空間感覚などを解説。またモスクワやペテルブルクの有名な庭園を写真と図版で紹介、ガイドとしても便利な一冊。