中学生の樹が亡き祖父から受け継いだハート形の水晶。その石精である雫は、樹の心を癒し、鉱物の魅力を伝えてくれた。他の石精も見ることができる樹は、カリスマコレクターの抱える人知れぬ苦悩を知り、骨董屋のおじさんの桜石にまつわる思い出に触れる。そして、翡翠の産地である糸魚川へとー。地球の生んだ芸術品・鉱物の魅力に溢れたセンシティブな物語。著者による鉱物エッセイも収録。
18世紀英国で誕生した風景式庭園は、全ヨーロッパで大流行を起こした。17〜19世紀における膨大な庭園美学の言説を分析し、背景にある思想の歴史的展開を解明する。未開拓領域の本格的な研究。
イングリッシュ・ガーデンの創始者。絵、工芸、刺繍、造園、執筆ー芸術と自然を愛しぬいたガーデナーの人生をたどる一冊。写真や設計図など70点あまりの図版を掲載。
結びの基本から飾り結び、そして現場での応用まで幅広く対応しています。豊富なイラストと写真を見ながら複雑な結び方までマスターできます。雪吊りとワラボッチのつくり方もさらにわかりやすく解説しています。庭づくり以外にも役立つロープワークも満載。
北京紫禁城、独楽寺、仏宮寺釈迦塔といった壮大なスケールの宮殿や宗教建築。風土に合わせて発展してきた四合院や二宜楼など人々の住まい。中国伝統建築をやさしく説き明かす第一人者である著者が、豊富な図版を駆使して、工匠たちの知恵や技術が息づく古建築の世界を今に伝える。
260年の歴史を誇る植物の殿堂・英国キュー王立植物園。広大な庭園と温室、歴史ある建築、貴重な植物画コレクションで案内する決定版ガイドブック。
遺跡から掘り出された、中世の平泉。奥州藤原氏歴代の居館・柳之御所遺跡、毛越寺に代表される平安時代寺院庭園群、平泉の仏教文化に先行する国見山廃寺跡などの発掘調査成果から、中世平泉の社会を明らかにする。
景観を構成する要素、ランドスケープ・デザインの視点から世界の庭園型墓地を中心に紹介。わが国の今後の墓地形態、循環利用、永続的利用のあり方を探る。オリジナル写真・図版500点以上収録。
どんなに狭いスペースでも、日当たりの悪い場所でも、工夫すれば立派な庭ができます。1本の木に下草や小さな景石を添えるだけでも、殺風景や玄関先や軒先が一変し、落ちついた四季の変化が楽しめます。エアコンも御簾垣風に囲えば添景になります。排水桝を上手に利用すれば、簡単につくばいやししおどしができます。味気ないカーポートも、車体下に小さな花壇をつくれば趣が出てきます。今ある空地を生かすコツを満載しました。庭つくりの楽しみは自分で計画、デザインするところから始まります。やろうと思えば、だれでも土日庭師でできる41例をイラストでわかりやすく紹介しました。
楽園という解釈以前に「自然」と「技巧」、「暗喩」と「現実」が共存し紡がれてきた庭園群。7〜20世紀まで、世界81庭園を豊富な図面、写真とともに検証。
『源氏物語』『枕草子』『うつほ物語』『伊勢集』『和泉式部集』ほか、王朝文学作品に描かれた様々な「庭」。貴族は庭に何を求めていたのか、史実と虚構から考察。庭園史や考古学の知見も得て作品中の庭を捉え、平安文学を読み解く。
「何故、山に登るのか?」という登山家への質問のように、作庭者に「何故、石を組むのか?」という精神性に重きを置いた作法書。現代から未来への石組指南書。
失われた歴史遺産を再生する復元はいかに行われるのか。古代から現代における国内外の遺跡や建物、庭園、美術品の復元を検討。文化財・文化遺産の保存・活用が求められるなか、復元の目的や実情、課題に迫る意欲作。