本書は、10年以上にわたって行われている「精神分析的精神療法セミナー」の実践記録を基に、類書にない新しい効果的演習方法を公開するものである。転移・逆転移、抵抗、解釈、ワークスルー、抑圧、治療構造等、各章はいずれも優れて臨床的なテーマを取り上げている。スーパーヴィジョンによる症例の徹底検討とそこから浮き彫りにされる基本的精神分析概念の学習討論を通して、読者は臨床実践の中で本当に患者のためになる技法と理論を身につけることができるであろう。
「牡丹燈篭」と並ぶ円朝の代表作は、針医兼高利貸の皆川宗悦が酒乱の旗本深見新左衛門に殺されることに始まる、因果因縁が複雑に絡み合う怪談話。宗悦の娘園と豊志賀、深見の息子新五郎と新吉は互いに仇敵とも知らず情痴に狂い…。
「中村仲蔵」は六代目後期の自信作。芝居の知識が“常識”ではなくなった時代にこの手の噺を演じるのは難しいが、さすが六代目、流れを断ち切ることなく解説を巧く溶け込ませて噺を運ぶ。学校ではあまり教えてくれないことを教えてくれる落語は素晴らしい。
通勤や通学の途中で通っていた場所に新しいビルが建つ。しばらくすると、前に何があったか思い出せなくなってしまう。誰もがそんな経験をしたことがあるように、「記憶」は「場所」と深く結びついている。この特性を使って膨大な記憶を整理・利用できるようにする技法がかつてヨーロッパに存在した。文学、哲学、史学、美術史、建築史、音楽学、科学史、思想史など多彩な領域に及ぶこの秘技の誕生から黄昏までを一望する。世界の最先端で活躍する気鋭の著者による決定版!
好評の大全集、第39弾は中国に伝わる話をもとに落語に仕立てられたという「文七元結」(76年録音)と、「へっつい幽霊」(74年録音)のカップリング。「文七元結」は舞台劇化され、六代目菊五郎やエノケンまでもが上演したという、人情噺の極致。
晩年のスタジオ録音による全集もの、『圓生百席』のCDリイシュー。ていねいな語り口はスタジオ録音でさらに際立つ。うまいです。きっちり聴かせます。「このディスクの内容は伝承古典落語ですので、現社会には実在しません」という但し書きがご時世だねェ…。
定番ハーブ90種とハーブガーデン、ハーバル、ハーバリストを古典植物誌や文学作品、神話伝説、迷信などと写真を交えて紹介する読むハーブ事典。
複雑な企業活動を理解するために会計的アプローチで具体的に見る。財務会計・管理会計・会計監査を連携させながら、会社法・金融商品取引法・税法にも言及。
ちょっとお色気の入ったお噺「なめる」が、下品にならないところはさすがの圓生。女性の描写がひたすら感心するほどにうまい。「甘四考」では大正や昭和初期あたりを知る人なら懐かしい描写が続々。当時の風俗のおかしさを知る粋人ならではの快作。