志ん生に入門し、師匠ゆずりの艶噺や廓噺を継承し、手話落語など、独自の世界を作り上げている圓菊の、円熟の人情話。志ん生が得意としたネタを収録。爆笑を誘いほろりとさせる至芸だ。
LP90枚組で発表された六代目圓生の大全集のCD再発シリーズ。収められている「紺屋高尾」は昭和50年4月8日の、「後家殺し」は昭和52年の録音だ。レコード用の録音は本人も納得している出来の貴重な芸の記録。古典落語ファンの基本アイテムだ。
奉行といえば大岡越前の独り占めだが、子供の奉行所ゴッコをきっかけとする佐々木信濃ものの「佐々木政談」(75年録音)。金馬が得意とした「池田大助」の元の噺でもある。「三軒長屋」(76年録音)は演者ばかりか聴き手の“教養”が問われる噺である。