ポルシェに乗って現れたきざったらしい男・曾我部綱彦。彼はなんとエリート刑事にして、篤史のかつての恋人だった。篤史を「サディスト」(遼一郎のこと)から救い出すため熱心に口説くが、綱彦の言動には奇妙なところが多かった。全てを察した篤史は、オリーブづくめの部屋に乗り込むが…。表題作ほか、篤史の友達・勝の結婚式が乗っ取られた?大騒動・高松編、さらには、なぜか江戸時代版の番外編も収録。厄介な連中はますます絶好調。
多くの死者の想いこもり、少女の亡霊が徘徊するという時計館。訪れた九人の男女を待ち受けるのは無差別殺人。悪夢の三日間の後、生き残る者は果たしているのか。-最終章80頁にわたって次々に解明されるめくるめく真相。これほど悽愴絢爛たるクライマックスを持つ本格ミステリが、かつてあっただろうか。
これは、誠実さの中で傷つき、悩み続けたある教員の関わりの果てに生まれた生徒への“まなざし”の記録である。そしてまた、身体性のない教育言説をくぐり抜け、現場での当時者責任を果すための方法序説でもある。
24時間のリズムを刻む体内時計のしくみ。
恩賜の銀時計を三度も拝受して、「将来の陸軍大将」と嘱望された青年将校は、なぜ特攻を激しく志願して散華したのか?戦時下の最優秀の超エリートの心に迫る。
ナンシー・ドルー18歳。金持ちの老人の遺産を、強欲な親戚一家がむりやり独り占めし、これまで老人から援助の手を差し伸べてもらっていた人々が困っているらしい。みんなに遺産がいきわたるようにすべく、ナンシーは遺言書捜しに奔走する。正義感が強く好奇心旺盛なナンシーが、大人顔負けの活躍で事件を解決する。長年にわたり人々に愛されてきたシリーズの、記念すべき第一作。
本書は、生物時計について研究を始めたいという大学の理科系医歯薬系学部学生を対象にしている。必要な神経生理学や分子生物学の基礎知識はこの本の中で解説しているので予備知識は必要ない。サーカディアンリズムあるいは生物リズムを臨床医療に応用したいと考えている医師や、昼夜交替制勤務の健康問題に取り組んでいる工場の労務安全管理者などにも役に立つ。
その時計は、めざまし時計のはずだった。でも、そいつときたらちょっと…、いやとんでもなくかわった時計だったんだ。
主人公は15歳のアレックス。彼とその仲間たちは、外見に気を配り、最新ファッションにも敏感な典型的なティーンエイジャーだ。しかしなにをしても退屈な彼らは、ドラッグを常用し、暴力やレイプなどの残虐行為に歓びを見い出す。相手の苦痛こそが自らの快楽そのものなのだ。その極悪ぶりでアレックスは刑務所へ送られ、国家による治療、いわゆる“教化療法”を受けることになるのだが…。著者が造り出した言語“Nadsat”を自由に操るアレックス。その彼が大人になる過程を描くと同時に、管理社会の醜悪さと現代社会における「自由」の意味を問いかけたバージェスの最高傑作。
ルルゥは、時計屋の女の子。ある日、古いうで時計にみちびかれてふしぎな世界にやってきた…。小学中級以上。