おばけたちと一緒にけんこうしんだん!?おばけの体重はやっぱり0!?
バロック時代のバッハ、古典派のモーツァルト、ロマン派の幕を開けたベートーヴェン…音楽史を少しでも習ったことがある人には馴染みのある時代区分や作曲家の名前。肖像画とセットで思い浮かべる人や、「伝記を読んだことがある!」という人も多いはず。けれど、よく見ると“音楽史”には日本史や世界史ではありえない、おかしな点がたくさんあるのです。どうしてこうなった?そして、音楽史はこれからどう書かれるのか?本書では過去から現在までの「音楽史の書かれ方」を振り返り、新たな視点でアップデートし続ける音楽史の最前線をご案内します。
関東軍は、一九一九年に中国・関東州と南満洲鉄道附属地の保護を目的に成立した。しかし、一九二八年の張作霖爆殺事件や三一年の満洲事変など、日本政府・陸軍中央の統制から外れて行動し、多くの謀略に関与した。「独走」の代名詞として悪名高い組織は、どのようにして生まれたのか。軍事・外交史研究の蓄積に、中国側の史料も踏まえ、組織制度、軍人たちの個人的特性、満洲の現地勢力との関係から解き明かす。
日本国憲法の枠組みの中にある戦後日本政治。自民党と社会党のイデオロギー対立は1960年の安保改定問題で頂点を迎える。以降、自民党は経済成長に専心し、一党支配を盤石にした。80年代末以降は「改革」が争点となるも、民主党政権を経て、第二次安倍政権以降は再び巨大与党と中小野党が防衛問題を主な争点として対峙している。本書は憲法をめぐる対立に着目して戦後政治をたどり、日本政治の現在地を見極める。
『アルゴノゥト』『神の恩恵』など存在しなかった、古代初期を舞台にした物語。今も数々の説話として受け継がれる、一人の男の英雄譚。歴代の英雄の中でも、圧倒的にひ弱で、冴えない英雄。しかし彼を『始まりの英雄』と呼ぶ者もいる。何故、アルゴノゥトは『始まりの英雄』などと呼ばれるのか?これは、とある滑稽な男の話。不相応な望みを持ち、幾多の思惑に翻弄され、それでも愚者を貫いた一人の道化の物語。
生物の進化は、自らが生き残り、遺伝子を次世代に継承するための「利己的」なメカニズムとして説明されることが多い。だとすれば、種を超えて観察される「利他的」な行動は、どのように理解すればよいのだろうか?本書は、植物学者と動物学者がタッグを組み、その謎の答えに迫る。カギとなるのは「共生」という戦略である。互いの強みを融合し、欠点を補い合いながら自然淘汰に打ち克った生物たちのドラマ。
実は途上国並みの水洗トイレ事情。医師の人数や集中治療室は少ないのに、精神科ベッド数は断トツ世界一。韓国よりも安い賃金、低い製造業の労働生産性、低い大学進学率。子ども、若者の自殺大国。外国旅行は「高い買い物」になった日本人…等々、50を超える国際データを比較検証。実質的に世界一の資産大国・債権国ではあるが、少子高齢化が進み、格差が広がる日本の衰退を防ぐ方策はあるか?データ分析のプロ・元国税調査官が読み解く。
カール大帝の死後、フランク帝国は3分割される。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による東フランク王位獲得の後、936年、国王に即位する。東方異民族による度重なる侵攻、兄弟や息子たちの叛乱、3度のイタリア遠征と、その生涯は戦役の連続だった。カール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と称される大国の基盤を築いた王者の不屈の生涯を描く。
歴史・文化・社会的に形成される男女の差異=ジェンダー。その差別には近年批判が強く集まる。本書は、実証経済学の成果から就業、教育、歴史、結婚、出産など様々な事柄を取り上げ、格差による影響、解消後の可能性について、国際的視点から描く。議員の女性枠導入=クォータ制が、質の低下より無能な男性議員排除に繋がる、女性への規範が弱い国ほど高学歴女性が出産するなどエビデンスを提示。旧来の慣習や制度を問う。
国家と宗教の関係はいかにあるべきなのか?元信者の碩学と宗教専攻の若手研究者が対論した宗教と現代思想の交錯点。
デジタルが社会を一変させるなか、政治は分断を生み、機能不全が深刻だ。なぜ私たちは民主主義を実感できないのか?本書は、19世紀の大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに、平等・結社・行政・市民のイメージを一新し、実験的な民主主義像を描き出す。新しい技術が人々の想像力を変えた歴史を捉え、民主主義論の第一人者がフランス革命・アメリカ建国後の政治史を解説。AI時代の社会像と人間像を探究する。
Excelの基本を覚えたら、次に取り組むべき課題はPower Query。VBAより簡単で理解しやすい、ビギナーでも速攻で使えるETLツール!
年を重ねた今だからこそ、わかる本がある。博覧強記の齋藤教授が、文学や哲学からマンガまで古今東西の作品をもとに、人生100年時代を充実させるヒントを伝授。谷崎潤一郎の「変態」な記録、闘う美しい高齢者を描く『老人と海』、江戸時代の「健康本」、「三大幸福論」の魅力など。挫折した本に再挑戦するコツ等の「ライフハック読書術」も充実。老後の生活を支えるのは「知性」だ。齋藤式メソッドを身につけて、「老賢者」になろう!
キューバ・ミサイル危機後、泥沼化するベトナム戦争が世界に衝撃を与えた。1960年代末から米中ソはデタント(緊張緩和)へ向かうものの、70年代末には再び対立が深まり「新冷戦」と呼ばれた。だが、その背後では西側経済の優位と東アジア経済の躍進により、第三世界の国々が社会主義を放棄しつつあった。そしてソ連にゴルバチョフが登場し、冷戦は終焉を迎えるがー。戦争と対立が続く現代に、冷戦は何を遺したのか。
世界で最も多くの米軍基地を抱え、米兵が駐留する日本。米軍のみならず、終戦後一貫して友軍の「国連軍」も駐留する。なぜ、いつから基地大国になったのか。米軍の裏の顔である国連軍とは。本書は新発見の史料をふまえ、占領期から朝鮮戦争、安保改定、沖縄返還、冷戦終結、現代の普天間移設問題まで、基地と日米関係の軌跡を追う。「日本は基地を提供し、米国は防衛する」という通説を覆し、特異な実態を解明。戦後史を描き直す。
インドに根付く社会的な身分制=カースト。数千年の歴史のなかで形成され、結婚・食事・職業などを生まれから規制し、今なお影響を与え続ける。カースト問題には、「不浄」とされ蔑視が続く最底辺の不可触民=ダリトへの差別がある。政府は2億人に及ぶダリトを支援する施策を打つが、その慣習は消えず、移民した各国でも問題化している。本書はインドに重くのしかかるカーストについて、歴史から現状まで、事例を通し描く。
DNAには不思議な魅力がある。大ヒット映画『ジュラシック・パーク』では、琥珀の中に遺されたDNAから、恐竜を現代に蘇らせた。それは絵空事とは言い切れない。マンモスなど絶滅動物の復活をめざす取り組みは今なお続けられている。古代DNAの研究を進展させた新技術はどのようなものか。生命を操作することに重大なリスクはないのかー。科学者たちが織りなしたドラマとともに、起伏に富んだ研究史をたどる。