99年に鬼籍に入った島唄の名人、嘉手苅林昌がコロムビアに残した録音を2枚組に編集。75〜76年に制作された貴重なもので、初CD化音源も多数収録。三線と歌声がじわじわと胸に染み入る。
若手演歌歌手、山内惠介のアルバム。戦後の名曲や、ファンからのリクエストによる楽曲も含んだ、珠玉のカヴァー・アルバム。実力派にふさわしい歌唱力を味わえる。
ドイツの行進曲というと「双頭の鷲の下に」と「錨を上げて」、それと「旧友」だけだと思ったら大間違い。なんと、この史上空前の「ドイツ行進曲大全集」には、のべ800曲のドイツ・マーチが収録されている。ドイツを代表するレコード会社テレフンケン社(戦前はテルデック社)が戦前戦後50年間に録音したドイツ・マーチの集大成だ。CD40枚に及ぶこの大全集はCD-1からCD-5までが戦前、戦中のモノーラル(SP)録音だがCD-6からはステレオ録音だ。16世紀以降のファンファーレや歴史的な行進曲も収められており、これは、単なる行進曲のコレクションという以上に、半世紀にわたるドイツ音楽文化史の資料としても大きな価値をもつものだ。
若手演歌の実力派、島津亜矢の「日本のうた」カヴァー・アルバム。藤山一郎「影を慕いて」や美空ひばり「川の流れのように」、北島三郎「北の漁場」などの名曲を貫禄たっぷりに歌い上げる。
若手男性演歌の期待株、山内惠介の初めてのベスト・アルバムは、オリジナル曲に昭和の名曲も加えた全16曲。若い甘さを感じさせる声は、正統派の演歌系歌謡曲にピッタリと言える。そのぶんだけ(15)では哀愁の色が若さに負けてしまった感があって、惜しい。
被曝した人たちが綴った詞を、吉永小百合が切々と朗読していく。バックで流れる切ないギターや弦四重奏の調べが、彼女の朗読する声に、さらに哀愁を重ねていく。辛辣な言葉の中に込めた苦悩や怒りの姿。二度と繰り返してはならぬという想いが満ちている。
関学、同志社、早稲田、慶應の4大学の男声合唱団(東西四大学合唱連盟というらしい)によるアルバム。編曲自体に「?」と感じる曲がないではないが、演奏水準はたいへん高く、グリークラブの歴史の重みすら感じる。録音は1976年のもの。
東宝特撮の印象が強い伊福部作品だが、大映にも大量の音楽を提供していた。『座頭市』シリーズのリリカルなギター・アレンジは意外に聞こえるが、『眠狂四郎』の不安感そそるピアノとオーケストラのコンビはまさに伊福部節。ブックレット資料も充実している豪華盤。
ヒロシマ、ナガサキの原爆詩の朗読に続く吉永小百合の沖縄編で、野坂昭如作「ウミガメと少年」を朗読。音楽は大島保克(三線、歌)。悲惨な沖縄戦を少年・哲夫の目から見ている。浜辺でウミガメの卵をすする少年。ウミガメはまた浜辺に産卵にやって来る。
“角川ビーンズ文庫”の人気小説を原作とするTVアニメのサントラ。『十二国記』や『エマ』などで知られる梁邦彦によるファンタジックなスコアに、平原綾香のオープニング曲などをコンパイルした充実作。