医療は最終的に無力になる。民間初の地域医療支援病院トップはなぜ医師の手の及ばぬ看取りを最大の仕事としたのか。先人の智慧・名言に学ぶもっとよい死の迎えかた。
片田舎に暮らす少年・江都日向は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊病」を患う女子大生・都村弥子だった。彼女は死後三億で売れる『自分』の相続を突如彼に持ち掛ける。相続の条件として提示されたチェッカーという古い盤上ゲームを通じ、二人の距離は徐々に縮まっていく。しかし、彼女の死に紐づく大金が二人の運命を狂わせるー。抱えていた秘密が解かれるとき二人が選ぶ『正解』とは?
「わたし」は世界の果ての砂浜で一人の少年と出会った。モノが持つ物語を視ることのできるその少年は、ガラクタの山で何かを探しつづけている。幾多の記憶の旅を経て、あらゆる「世界の終わり」を見届けた末に少年が得たものは何なのかー?気鋭の詩人・歌人、岩倉文也が「世界の終わり」を紡ぎつづけた連作掌篇からなる待望の第一小説集。
新冷戦の兆しに包まれた不穏な世界。米イラン危機、米中摩擦、香港問題、中台関係、IS拡散、英国EU離脱、反・移民難民、ポピュリズムの世界的潮流、衰退する自由主義…民主主義と資本主義の矛盾が噴出する現在をどう読み解けばいいのか?「役立たず」にならないための国際関係論。
作曲家兼探偵エリス・マッケイとブラッドストリート警部、名コンビ再び。相次ぐ失踪事件の謎に立ち向かう!
「宇宙はどうやって始まった?」「宇宙は何でできている?」その究極の謎を解くカギは、小さな素粒子が握つている。
煌びやかな宝石と漆黒の外套を身に纏う若き錬金術師クレストフ。彼はダンジョンで貴き石の精霊ジュエルにコツコツと貯めてきた宝石を食べられてしまう。怒りに震えるクレストフにジュエルは詫びとして精霊たちが集めた金銀財宝が眠るという秘境・宝石の丘への道案内を提案するのだった。クレストフはジュエルを利用して鉱山を開発し、旅路の資金を稼ごうと画策する。採掘を進めるうちに、鉱山の洞穴は盗掘者たちを撃退するダンジョンへと姿を変え、いつしかクレストフはその支配者として君臨することになるのだが…。宝石を巡る命懸けの探索に挑む一人と一匹の運命は!?
2012年、「ユーロ恐慌」から「世界大恐慌」に突入する。
あなたの一生と40億年を流れゆく生命の歴史そのはじまりとおわりはどこにあるのか分子で探る、生命のゆくえ。
事なかれ主義のなんでも流せる及び腰ー警視庁捜査一課係長・南野の弱点は、指定暴力団組長・鷲沢と長年パートナー関係にあること。少年時代を血の繋がらない兄弟として過ごし、再会した時には刑事とヤクザ、そこから始まった鷲沢の深すぎる求愛行動が今に至るのだが…。南野の班が保護した事件の目撃者が鷲沢の若い頃に瓜二つ、しかも父親を捜しに来たことが判明し!?とんだ溺愛ヤクザと枯れた中間管理職カップル、いきなり別離の危機!?
家庭内一人暮らしのすすめ。お墓こそ本当にどうでもいい。世間体が、老後最大のムダ!72歳の遺言、書いてみました。人生脱力論。
母親を亡くした8歳の秋雨が美妙の家に引き取られたのは、彼女が15歳の時だった。辛くあたる母から秋雨を庇ううちに姉弟という間柄を超えていくようであったが、その思いをずっと胸に秘めたまま、出会いから五十五年となるその日、美妙は娘夫婦と孫娘が起き出す前に、取り壊しが決まった家へと向かうー。
「先天性胆道閉鎖症」いのちの27年ー、’09年6月3日、私は余命1年と宣告された。母は「来年の私の誕生日、由佳はもうおらんのか」と言った。だから私は母の誕生日の翌日にライブをすることに決めた。
意味と決別せよ。ニーチェ論を転回点にヘラクレイトスからバタイユへ、哲学と文学を架橋し、意味の極北を探る渾身の第二部。