核保有国が増えるのはなぜ望ましいと言えるのか?それに対する反論とは?本書は、核兵器の拡散に主に勢力均衡論から肯定的立場をとるウォルツと、組織論の観点から否定的立場をとるセーガンによる、それぞれの主張と反論をまとめた論争の書。理論から最近の核拡散の事例、そしてオバマの「核なき世界」演説に至るまで、核兵器の真髄に迫る白熱の論争を余すことなく伝える。
いつの時代もあとを絶たない小説家志望者。実際にデビューまで至る才人のなかでも、「食っていける」のはごく一握りだ。とりわれエンタメ文芸の道は険しい。ひとたび「売れない」との烙印を捺されたら最後、もう筆を執ることすら許されないー。そんな修羅の世界に足を踏み入れてしまった作家は、どのような道を辿るのか。華々しいデビュー、相次ぐ映画化オファー、10万部超えのスマッシュヒットー。栄光の日々すら塗りつぶす数々の失敗談と、文芸出版の闇。商業出版の崖っぷちから届けられた、あまりにも赤裸々な告白の書がここに。「書く」前に「読む」べし。
愛と信義に生き、主なき名城を支えた武士・領民たちの挑む壮絶な戦い。その命を華々しく咲かせた蒼き群像を描いた渾身作。
その活動を支える信念とは何か。戦争、震災、エイズ、結核、マラリア…現場の最前線における切迫した課題や地域文化との軋轢など、人道支援の限界や任務のリスクにどう立ち向かっているのか。理念、活動、歴史を詳しく描き出す。
恋したくなるフランス語の絵本。オランジーナが先生になるまでのちょっぴり切ない恋の物語。
秘められた真実、求める心、人の造りしもの、言葉の裏側。-再構築(リビルド)された物語の原点を読み解く。
大正7年秋から9年春(1918〜1920)にかけて日本経済が経験したバブルの実態を解明するとともに、これに対する政府および日本銀行の金融政策を当時のマスコミの論評を交えながら評価する。
なぜフロイトは最晩年になってモーセ論を書いたのかー公刊直後から今日まで、多くの者を悩ませてきたその謎に、ユダヤ史の世界的権威が正面から挑む。同時代のコンテクスト、父ヤーコプによるユダヤ教育の実態に歴史家として分け入り、謎の核心に迫っていく本書は、ジャック・デリダやエドワード・サイードをはじめ、幾多の議論を巻き起こしてきた。すでに古典となった書物、待望の邦訳をついに刊行。
北海道・松前から九州・玄界灘まで。30年以上にわたり、800人を超える人びとを訪ね歩く、著者の「海への思い」。
NHKの連続テレビ小説でドラマ化され、日本中に感動の輪が広がった水木しげる夫人の自伝的エッセイ。底なしに貧乏だった新婚時代、「ゲゲゲの鬼太郎」のヒットで多忙を極める夫を支えた喜びと苦悩の日々…自らを「平凡な人間」と語る著者の目に映った異能の天才の真実と、自身の人生への思いを率直に綴る。ドラマでは描かれなかった秘話も交えた感動の一冊。
排外主義や権威主義、ウルトラナショナリズムにフェイクニュース…それらの根源はどこにあるのか。ハイエクなど初期新自由主義者たちの論考を辿りながら世界に吹き荒れる政治言説の布置を問い直す、政治哲学者による批判の書。