98年ワールドカップ直前、崩壊寸前まで追い込まれていたブラジル代表。その危機を救うためにやってきたのがジーコだった。「挑戦し続ける」ことを人生のモットーとするジーコ。代表チームのテクニカルコーディネーターとして「チームを一つのマインドを持った大きな体にする」ことを目標に、選手の選考、管理、起用法まで関わり、ブラジル代表を準優勝に導いた。本書では現在日本代表を率いるジーコのサッカーに対する考えや、その指導法、具体的な選手操縦術まで分かる。サッカーファンだけでなく、ビジネスマンにも必読の書。
セクハラによって勤め先をクビになり、やる気をなくしたデザイナーの新原。香水店の店長・国枝に突然「惚れてもいいか?」と告白されても、小綺麗な外見だけに惹かれたのだろうと、喧嘩っ早い性格のまま撃退していた。懲りずに迫ってくる国枝に辟易としていた新原だったが、彼が惚れ込み、立ち上げる香水ブランドのデザインを任せたいと望んだデザイナーが自分だったと知り…。
たくさんの都市を飛行機で結ぶときはどんな形の路線図にするのがよいでしょうか。ふしぎでおもしろい話題がいっぱい。
著者が実の父の死について語った本。思い出や小さなエピソード、人生についての考案が、幼い子どもによくわかるかたちで書かれている。その信ずるところも疑念も、読者に押しつけることなく、ときに深遠にときにユーモラスに語られている。
本書で著者が追求する秘密の問題-偉大な問題はすべて答えがわかっていまったのか?探求する価値のある知の問題はすべて知られてしまったのか?はたして「終焉」を意味する「万物の最終理論」はあるのか?偉大な発見の時代は終わりを告げたのか?こんにちの科学は単なるパズル解きと化し、既存の理論の細部を埋めるだけなのか?著者は、このような問題や他のデリケートな問題に対して、驚くほど率直な答えを引き出す。科学の現実を文芸批評の方法論で一刀両断。
九七年六月、インド・カシミール地方で激烈な謎の熱病が発生した。不審を抱いた国際情報機関の朝倉研吾は独自調査を開始したが、同時に日本、中国、インドネシアなど、アジア各地でも怪事件が続発。やがて諸事件の背後に全世界を揺るがす恐怖の陰謀“福音プロジェクト2”が浮上したとき、ついに魔手が朝倉を襲った…。はたしてその恐るべき計画とは?そして首謀者は誰なのか?壮大無比の構想と卓抜の筆力で人類史上最大の謀略を描くグローバル・サスペンス!超大型新人の誕生。
現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものはー?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。
夏の終わりのスコットランドー澄んだ空気と、深く碧い湖。ヒースの草原を渡り鳥が横切るころ、秋風が冬の足音をはこんでくる。広大なスコットランドを舞台に描かれる夏の日の恋のゆくえーせつなく胸にせまる愛の物語。
20世紀のフランスを代表する作曲家メシアンの伝記は多く著されている。しかし、代表作「時の終わりへの四重奏曲」について書かれていたとしても、それは作曲法の歴史的考察でしかなく、さらなる理論的分析への序章にすぎない。四重奏曲の歴史に触れている著者の多くが二次的資料か作曲家自身の言葉を引用している。他の三人の演奏家やその家族への取材、歴史的初演についての証言、初演がおこなわれた第八A捕虜収容所に関する資料を検証したものは、ほとんど見られない。本書によって、「時の終わりへの四重奏曲」誕生の歴史は初めて記される。捕虜収容所での生活を描き、この作曲家とドイツ当局や仲間の音楽家たちとの関係、メシアンが語りたがらなかった収容所での体験などを調べた。初演を前後して、メシアンたちは幸運をつかんだが、それはこの四重奏曲の歴史のなかでもっとも興味をひかれるであろう。
ちょっとした誤解がもとで、竜一から電話が途絶えて一週間が過ぎた。二葉は、別れすら覚悟して竜一の組の事務所へと向かうが…。-ぼくのラストソング、ラブソングはもう歌わない。もう誰のためにもラブソングは歌わない。だってぼくのラブソングは三浦竜一に捧げてしまったー。そして二人の愛の神話は、ついに終章へとたどりつく。書き下ろし特別編「エターナルー永遠にー」も収録する感動の最終巻。
世紀末芸術。それは現代という“この終わりのときにも”無限増殖し、変換されつづけて「美しき時代」の矛盾への我々を誘う。メディアの欲望を発動させる複製可能な永遠のアウラをまとったクリムトとシーレからクリンガー、ディックス等北方美術の系譜を辿りながら、現代ドイツ美術にいたるエッセイを収録する。気鋭の著者の第一評論集。
清澗寺伯爵家の長男の国貴は、軍を裏切りながらも密かに生き延び、一族を捨てて恋人の遼一郎と上海で逃亡生活を送っていた。国貴は素性を偽り、つましくも幸福な日々を送っていたが、遼一郎がまたも秘密を抱えていることに気づく。不安が増す中、国貴は弟の道貴に見つかってしまい…。雑誌掲載作に加え、道貴のクラウディオと甘くも激動の日々を描いた書き下ろし作品、初代伯爵・貴久の掌編を収録した、清澗寺家シリーズ第一部完結編・下巻。