花火職人清七に降って湧いた鍵屋の主弥兵衛からの暖簾分けの話。なぜ俺が、と考える暇もなく、職人を集め、火薬を調達し、資金繰りに走る。お披露目は夏の大川だ。女房と二人三脚で暖簾を大きくした清七は、玉屋市兵衛と名乗った。大輪の華ひらく一瞬に、すべてを賭けた江戸っ子の心意気が沁みる感動の一代記。
著者の文芸評論家としての面目を如実に示す、画期的なジョイス論!
炎術使い御火速霊流の宗家に生まれながら炎術を使えない優夜が、修行の先に送り込まれたのは三人の姉妹が暮らす高倉家。これはおいしいシチュエーションかと思いきや、優夜の姉匠となる長女の彩雲はヤンキーあがり、三女の美風は端から優夜に冷たく、唯一友好的なのは次女の美空だけ。それでもめげない優夜は、エッチな妄想を膨らませながら、今日も修行に励むのだった…。第6回電撃ゲーム小説大賞“銀賞”受賞作家が放つラブ(?)コメディ。男子ごころをくすぐります。
高校に入学したばかりのある日、幸恵は叔父から乱暴されてしまう。そんな矢先に訪れるいくつもの不幸な出来事。傷つき絶望しかけたとき、手を差し伸べてくれたのは「彼」だったー。実体験を元に“生きる意味”と“人を愛すること”を描き、書籍化が切望された待望の感動ラブストーリー。
ミステリー、SFから時代物まで、ユーモアとノスタルジアあふれる絶品ショートショート39連発!!40年前の花火の弾けた思い出が目の前に蘇る「花火」。村長が旅人に猫の頭をかぶる奇習について語る「猫かつぎ」など。星新一氏が自ら「後継者」と認めた奇才のショートショート作品集がついに復刊。
十年ぶりに戻った祖国は、まるで無道の国だった。ジョン万次郎がそんな幕末の世で果たそうとしたことは何だったのか…。
写真という表現手段で、一瞬に咲いて、一瞬に消え闇にもどる“一瞬”を定着させたこの写真は、カメラという魔法のボックスに工夫のボックスを加えて撮られたものである。
数年間の日本での滞在生活を通して、カーターはその独特な手法で「物語」を誕生させた。現実と非現実の間で、人間の「愛と性」とは何かを定義する。
三人姉妹が暮らす高倉家に居候し、炎術の修行に励む優夜17歳。クラスメートの男子たちからは「おいしい思いしやがってこの野郎」と妬まれたりするが、長女の彩雲には修行という名の虐待にあい、三女の美風からは変態扱いされる日々。バラ色とは正反対の毎日を送っていた。が、しかし、ひょんなことから美風を手助けすることになり、ふたりの関係がちょっと接近。おまけに次女の美空とデートなんかもしちゃったりして、これは三角関係の始まりか!?第6回電撃ゲーム小説大賞「銀賞」受賞作家が放つ話題のラブ(?)コメディ待望の第2弾。
大学進学のために故郷の港町を出てから6年…。都会での仕事に挫折して帰ってきた克己を、幼なじみの隆信は変わらぬ笑顔で迎えてくれた。だが克己には、高校の頃から胸に秘めてきた、一生口にすることのできない“ある思い”があった。-それは隆信への恋心。強い日射しにじりじり焦がされるような…そして、胸塞がれるような切ない気持ち…。克己の「夏休み」は、思いがけない終わりを迎えることに…。ハートをキュンと疼かせる最高のメロウラブ。
伝統技能保全のため、大学の研究室から花火製作の芙蓉工房へ派遣された誠人。古色蒼然たる屋敷で彼を待っていたのは、見た目は人間とまったく変わらない『職人形』の冴だった。高度な学習機能を持つメカニズムに好奇心を刺激された誠人は、睡眠や食欲に加え、性交渉もできるという冴の疑似射精を確認すべく、早速検分にかかる。ところが、思わず交わした口づけで快感を学習してしまった冴は誠人の性感を煽りたて、快楽を極めようとし始める。いつしか二人は淫蕩な行為に耽る夜を繰り返すようになるのだが…。