十年ぶりに戻った祖国は、まるで無道の国だった。ジョン万次郎がそんな幕末の世で果たそうとしたことは何だったのか…。
ミステリー、SFから時代物まで、ユーモアとノスタルジアあふれる絶品ショートショート39連発!!40年前の花火の弾けた思い出が目の前に蘇る「花火」。村長が旅人に猫の頭をかぶる奇習について語る「猫かつぎ」など。星新一氏が自ら「後継者」と認めた奇才のショートショート作品集がついに復刊。
写真という表現手段で、一瞬に咲いて、一瞬に消え闇にもどる“一瞬”を定着させたこの写真は、カメラという魔法のボックスに工夫のボックスを加えて撮られたものである。
命を賭して信じる道に突き進めぬ者が、どうして士族を名乗れようか。久保田宗八郎は、虚しさを感じていた。株式会社、開かれた言論、徴兵制度。西南戦争前夜、すべてが急速に欧米化してゆく。銀座煉瓦街で親しく交わる、若様、巡査、耶蘇教書店主。そして、深い縁で結ばれた元遊女比呂と、互いに恋情を確かめ合った可憐な綾ー。名手が、時代に翻弄される人びとの哀しみを描く。
高倉三姉妹の家に居候を続け、なんとなく美味しい状況が見え始めたかに思われた優夜17歳。しかし、炎術の修行のため、高倉家に送り込まれたと思ってきたが、そこには思わぬ策略が…。おまけに、高倉家次女美空にも驚愕の秘密が!?さらには、高倉家三女美風から、果死合いを挑まれる始末!エッチな妄想を膨らませてばかりの優夜だったが、遂に主人公らしく立ち上がる時がきたのか!?そして双子姉妹と妄想少年に恋は生まれるのか!?物語は一気にクライマックスへ!!ちょっとHなラブコメディ、ここにシリーズ完結。
高校1年の夏休みを迎えた那央は、突然現れた幽霊の少年から、友人・ちとせの死の運命を知らされる。その運命を回避するための条件が、自分が憧れる西江先輩とちとせを恋人同士にするしかないなんて!?第2回メガミノベル大賞銀賞&べっかんこう賞ダブル受賞の青春ファンタジー登場。
一族の家業であった繊維業界に材を取った、構造変化に伴う新旧のあつれきをえぐるスリリングな人間ドラマであり、産業小説でもある表題作をはじめ、自伝的要素の濃い未刊行小説四編。
これは宿命か-。実業家の道、天衣無縫の生、時の地層から掘り起こされ現れ出た人々の邂逅、それは、自分を宿命から解き放つ縁となるのか。樺太、アメリカ、ロシア、フランス、奄美-土地土地から呼び寄せられ辿った人生とは。ある財界人の自伝的小説。
松山中央警察署の大鷹鬼平は、相談に来た少女・千津琉から、不思議な話を聞いた。十日後に博多で催される全日本花火コンクールのパンフレットに、十二年前の花火工場の爆発事故で死亡したはずの兄・敏彦の名前があるというのだ!真偽を確かめるべく鬼平は千津琉をともなって博多へ向かったが、敏彦の姿はなかった。だが、かつて敏彦が夢見ていたという幻の大花火「雪月花三段開き乱れ咲き」を目撃した。そして、直後、鮮血にまみれた男の射殺死体を発見することに…。錯綜する謎を追う熱血警察官・鬼平の活躍。